
音楽イベントは、PAやカメラマン、受付スタッフやライターなど、多くのスタッフの協力のもと実現することができます。
この記事では、スタッフにオファーする時のポイントについて紹介します。
イベントの目的を伝える
企画者は想いや意志を持ってイベントを企画していると思いますが、スタッフは依頼されてイベントに関わることが多いはずです。
イベント企画は大変なもの。かけた時間に対して利益が大きく得られるものでもありません。だからこそ、なぜこのイベントをするのか?という目的をしっかり伝えていく必要があります。
インディーアーティストを応援したい。地域を盛り上げたい。世の中にないイベントを作りたい。おそらく、企画者がイベントをしたい理由はお金のためではないでしょう。この「イベントは営利目的でやってないんだ」という”非営利マインド”を自覚し、スタッフにも理解してもらうことが大切です。

“非営利マインド”が浸透していないと、スタッフとしては「決められた謝礼金額の分だけ働こう」と消極的な関わりになってしまうかもしれません。また「働きに対して謝礼が少ない!」という金銭トラブルにも発展しかねません。そうなると自然に来場者が感じるイベントの魅力は減っていきます。
同じ音楽を愛する人であれば、企画者のビジョンに共感してもらえるはず。かっこつけたり恥ずかしがったりせず、スタッフには企画の想いを真っ直ぐに共有しましょう。
イベントの魅力を伝える
イベントの具体的な魅力についても共有しましょう。コンセプトや演出、出演者を共有し、イベントへのワクワク感を持ってもらうことが重要です。

スタッフもライブを見るお客さんの一人です。当日を一緒に楽しみに待ちながらイベントの準備を進められるような関係性を作りましょう。
イベント概要を共有するときは、企画書を作っておくと便利でしょう。
条件を詳細に伝える
オファーにあたり、条件を詳細に伝えましょう。
- 日程
- 拘束時間(想定する入り・撤収時間)
- 依頼内容
- 謝礼金額
- 支払い方法・タイミング
- クレジット掲載
謝礼金額は、オファー時に具体的に決めることが難しい場合もあるでしょう。イベント後に集客数や合計収入を踏まえて確定する流れの方が、イベント収支としては赤字になりにくいです。
しかし、謝礼金額をはっきり伝えないというのも悪印象です。収支の考え方、謝礼の目安や計算方法を共有し、スタッフにきちんと納得をしてもらうことが大切です。
一緒にイベントをつくる
イベントの目的や魅力を伝えていくことで、スタッフと受発注関係ではなく共創関係になることができます。特に小規模イベントだとイベント収入が少ないので、お金を目的にオファーするとうまくいきません。
だからこそ、企画者は関わってくださるスタッフに感謝し、スタッフがやりたいことを実現できる場にしていきましょう。各担当のちょっとしたチャレンジを応援したり、演出やPRの盛り上がりアイディアを一緒に考えたり、仕事相手ではなく仲間として一緒にイベントをつくっていく意識が大切です。
このプロセスを経ることで、各スタッフのイベント当日の感動や達成感が何倍にもなるでしょう。これにより、イベントが単なる一回きりのものではなく、何度も継続していくことができるような絆やチーム基盤ができあがっていくのです。

音楽イベントをやろう!
他にもイベント企画に関する記事を書いています。少しでも参考なれば幸いです!
About
このブログ『音楽イベントの作り方』は、音楽イベント企画『orange plus music』が日々執筆しています。自分の好きな「穏やかな音楽」を好きになって欲しいという思いで、2018年よりプラネタリウム・ゲストハウス・演芸場・重要文化財など様々な場所でライブイベントを開催。また本業では会社員としてデジタルマーケティングやクリエイティブ制作の広告代理業にディレクターポジションで関わっています。音楽の場が継続していくために、自らイベントを企画する人が増えることを願って、企画段階から告知、準備、運営、事後まで含めた音楽イベントづくりの豆知識を記事で発信しています。