音楽イベントの作り方

〜初めてDIYで企画する人向けのノウハウまとめ〜

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orange plus music

このブログ『音楽イベントの作り方』は、音楽イベント企画『orange plus music』が日々執筆しています。自分の好きな「穏やかな音楽」を好きになって欲しいという思いで、2018年よりプラネタリウム・ゲストハウス・演芸場・重要文化財など様々な場所でライブイベントを開催。また本業では会社員としてデジタルマーケティングやクリエイティブ制作の広告代理業にディレクターポジションで関わっています。音楽の場が継続していくために、自らイベントを企画する人が増えることを願って、企画段階から告知、準備、運営、事後まで含めた音楽イベントづくりの豆知識を記事で発信しています。

Idea

音楽イベントで悩むお金の話。チケット料金や謝礼、決済ツール

2022.06.14

この記事は、音楽イベントを自分で開催したい!と思っている方へ向けて、大まかな流れの紹介と、より魅力的なイベントを実現するためのポイントについて書いた連載記事です。

新型コロナウイルスの感染拡大により、音楽イベントの数は減ってしまいました。それでも、音楽は心に光を届けてくれるもの。

プラネタリウムやゲストハウスなどで、最大150名規模の音楽イベント企画を開催してきた立場から、今後も小さくてもあたたかい音楽の場・文化の灯が続いていくことを願って、イベントづくりで経験してきたことを記事にまとめて発信することにしました。

全部で9記事あり、今見ている記事は8記事目です。各記事に書いている内容や、どんな人が書いているかは1記事目に書いています。

個人企画はお金に限りがある

これまではイベントのクオリティ面に焦点を当てて書いてきましたが、最後にお金に関する悩みに触れたいと思います。

イベントは一人ではできません。関わった方や会場には、必ず謝礼金額をお支払いしましょう。しかし、個人企画の規模感だと、お支払いできる総額に限りがあります。

例えばチケット料金3,000円、80名規模のイベントの場合でも売上は24万円。仮に以下のような支出があるとすると・・

  • 会場利用費:6万円
  • 出演者(3組):9万円
  • デザイン依頼費/フライヤー印刷費:3万円
  • PAチーム依頼費/機材費:3万円
  • 撮影カメラマン依頼費:1.5万円

手元に残るのは1.5万円。このほか振り込み手数料やスタッフ飲食代も払うとすると、ほとんど手元には残りません。企画者が20人日動いても得る金額は5000円ということもあります。つまり、最初からイベントは利益を得るためのものではない、と割り切った方がいいでしょう。

ただ赤字になることはよくないので、収支がトントンもしくは1万円前後残ればいいだろう、と自分は考えています。

もちろん規模感や収支を工夫することで、黒字になることもあるでしょう。上記の例だと、集客が大幅に成功して110名になった場合、30名分の売上9万はそのまま企画者の手元に残せるお金になります。

また、イベントグッズの販売や、単価の高いオリジナルギフト付きチケットを販売するなど、収益経路を増やすことで、イベント収入を増やすこともできます。

そのほか、アーツカウンシルなどの文化財団や文化庁や区などの行政が募集する助成金を活用したり、企業スポンサーを見つけたりなどで、収入基盤をつくる案もあります。ただ、申請や営業の工数がかかることや、毎回助けを得られるものではないと思うので、望みすぎず、現実的な見立ての上でイベントを計画しましょう。

チケット料金の設定方法

お客さんに払っていただくチケット料金をいくらに設定するか、も悩むポイントです。

絶対こうという答えはないですが、集客目標人数と想定出費を計算した上で、8割くらいの達成率で収支がトントンになるくらいのバランスが理想です。いわゆる損益分岐点の算出という考え方になります。

ただ、計算上の数値が正しいとは限りません。近い規模のイベントのチケット料金を調べ、あまり差が出ないくらいの金額が妥当な市場価格と考えられます。

金額が安いと購入ハードルは下がりますが、損益分岐点を超えるためにはより多くの購入数が必要になります。逆に金額が高いと少ない購入数で損益分岐点を超えられますが、価格に見合う特別な体験であることをPRの中でしっかり伝えなければ、購入数が減ってしまいます。

売り方の工夫として、料金の違うチケットを準備する方法もあります。例えば、フェスなどでよく見られる早割りチケットは、何日か前に購入すれば少し安く買える仕組みです。企画者としても早い段階で集客できると安心します。

複数枚割引や、ギフト付きのプレミアムチケットなど、イベントにあったチケットの種類をぜひ考えてみてください。

謝礼金額の設定方法

出演者や関係者への謝礼金額の設定方法についても、悩むポイントだと思います。

一般的には、イベントで入る全収入から会場費を抜き、出演者>スタッフ>最後残れば企画者という考えで設定していくことが多いでしょう。人気のアーティストになれば、一定の謝礼金額がないと失礼に感じられてしまいますし、オファー時点で断られてしまうこともあるでしょう。(もちろん、アーティストやその状況によってもイベント出演の謝礼金額の捉え方は様々あると思います)

あくまでも企画側の視点として、謝礼金額の設定方法をいくつか紹介します。

A:初めから一定金額を決めて、集客に関わらずお支払いする
B:最低金額を決め、一定以上の集客ができた場合、人数に応じて上乗せしてお支払いする
C:完全に人数と連動してお支払いする


自分はどのパターンも実施したことがあります。Cは10名など小規模イベントだと成立しやすく、Bは100名規模など人数のぶれ幅が大きそうなイベントと相性が良いです。ある程度集客が見えている場合は、最初からAで進めることもあります。

謝礼は対価でもあり、感謝の気持ちでもあります。そもそも個人イベントでお支払いできる金額は、上限がある程度決まってしまっています。「薄謝で恐れ入りますが、、」という気持ちで、何よりも相手を尊重しながら失礼のないように設定し、交渉というニュアンスよりも、相談というニュアンスで決めていきましょう。

決済ツールの選び方

イベントに参加するお金を、どうやってお客さんから集金するか、も重要な話です。

当日受付で現金で回収する場合は、事前の決済ツールは必要ありません。しかし、お金を払っていないという心理は、当日のドタキャン発生率が高まることに繋がります。また、お釣りの用意や現場でのお金の管理が地味に大変です。

そのため、多少手数料はかかりますが、事前決済できるオンラインのチケット販売サービスを使うことをおすすめします。

個人的には、以前はPeatixがおすすめでしたが、最近はteketがおすすめです。管理画面が使いやすく、カスタマーサポートも親切で、様々なチケット種別の販売ができ、オンラインイベントにもしっかり対応し、公式アカウントがSNSでイベント情報を拡散してくれる、などなどメリットが多いです。

teketで『Music For The Story II』のイベントページを作成した例。画像を複数枚登録したり、全五回の配信チケットを別々に販売したりできた。

その他の記事について

次は、⑧オンラインで魅力的な音楽イベントを企画するコツについて紹介します。

2021年に閉館した原美術館でライブを収録し、オンライン配信のイベント『ひかりの感触』を開催した。塩塚モエカ(羊文学)は美術館の階段付近で演奏した。

その他の記事についても、以下のリンクから閲覧いただけます。

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