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満員のNuiでエレクトロニカ音楽と旅した夜「タビノエ – きこえる音、うかぶ風景 -」イベントレポート

2018.11.04

2018年10月7日、蔵前のNui.で「タビノエ – きこえる音、うかぶ風景 -」を開催しました。

世界中の旅人が集うゲストハウスにて、風景を感じるエレクトロニカ音楽と映像演出のライブイベント。

当日の様子を写真と共にレポートします。

設営

蔵前は浅草近くの下町で、カフェや雑貨店も多くあります。隅田川が流れ、スカイツリーも見えます。

会場のNui. HOSTEL& BAR LOUNGEは、倉庫を改装した木のぬくもりを感じられる場所です。

お昼過ぎから設営開始。PAは「星空ごこち 七夕プラネタリウムライブ」でも担当したno.9 orchestraでキーボードを弾く大場さんと、gockoの福田さん。

映像演出は水色デザインさん。脚立を使って天井や壁にスクリーンを設置していきます。

昼間の光に照らされるカーテンも綺麗でした。

出演者も順番にリハーサル。配置や音響をチェックしていきます。

開場

18時にオープン。既にたくさんの人が並んでいました。

受付でチケットのチェックをした後、フライヤーが渡されます。

入り口近くには物販コーナー。各出演者のCDやグッズが並びます。

1ドリンク制だったのですが、Nui.のバーテンダーがオリジナルドリンクが2つ作ってくれました。エルダーフラワーを使ったスウェーデン色の「The Northern Breeze」は花の香りがあり、秋をイメージしたオレンジ味の「Fall Colors」は甘めで、どちらも飲みやすかったです。

開演までの間にも、スクリーンには映像が流れます。フライヤーデザインを担当した林田真季さんの写真も混ぜながら、旅立ちを想像させる海や船の絵を、自分が昔瀬戸内で録った波の音が入ったBGMをかけながら投影しました。

わいわい賑やかな雰囲気の中、いよいよ始まります。

[.que]

はじまりは[.que]さん。未発表の新曲から「Sunset」「Drip」「Sea Wind」と海や水にまつわる曲を。波や空の映像と音楽に、夜なのに晴れやかな気持ちになりました。

会場は立ち見が出るほど人が多く入りました。遠くからでも映像は見えます。

最新アルバム「Endless Journey」からは、旅の曲「Short Trip」。軽快なメロディーと移り変わっていく風景。

MCでは企画した自分のことにも少し触れてくれました。「彼がまだ学生で自分が九州ツアーした時に見に来てくれてて、それが数年経って東京で再会して今回に至るのはなんだか込み上げるものがあるな」と。嬉し恥ずかしです。

最後の「Hope」はいつも心に染みます。熊本で撮影されたMVに出てくる笑顔が思い出されて、風景の中でも優しさのあるシーンを想像しました。

minamo & moskitoo

2組目はminamo & moskitoo。たくさんの楽器を並べて、静かに始まります。

ゆらゆらと浮かぶ水面が心地よく音の波に寄り添う。静けさの中にある情緒を紡ぐような時間。

それぞれの音楽が好きだったことからオファーさせていただいたのですが、意外と一緒に演奏する機会はなかったそう。タビノエをきっかけに生まれた曲が、すごく好きです。

minamo単体でも久々のライブ。音源で聴く伸びるようなノイズの”minamoの音”がとても好きで、生で聴けてとても嬉しかったです。即興演奏のように縫うような音楽と、淡いグラデーションのある風景に心地よく身を委ねました。

水色デザインさんが演出した白いスクリーンの上での光と影の揺らぎも見事で、思わず息を呑みました。カラフルな景色が全てじゃない。日陰や眩しさの中にも綺麗なものがある、と感じました。

TINÖRKS

最後はTINÖRKS。「Fullerene」「Rigel」と北欧フルートやチェロの生音が、Nui.の空間に気持ちよく響きます。

映像も森や自然を投影し、音楽と共にファンタジーな世界へ。

楽器がたくさん出てきます。鉄琴のかわいい音。

途中、水色デザインさんによるオーロラ演出も。半透明に揺れるカーテンが、綺麗な緑に輝きました。

一番遠い、旅の深い場所へ誘われる時間。最後、Komorebiの背景に花畑が映ったのが綺麗でした。

TINÖRKS セットリスト

1. Quark
2. Fullerene
3. Rigel
4. 星のピアノ
5. カリンバの森
6. Corot
7. Komorebi

アンコール

アンコールは全出演者の特別コラボ。準備に少し時間があり、歓談中TINÖRKSのアルバムを手にとるお客さんも。

始まった即興演奏では、静かに鳴りあう音の中で、波が合う瞬間が何度かあり、きっとこの場でしか聴けない音・浮かばない風景を体験できた時間となったと思います。

拍手の中イベントは無事終了!ライブ後に食べたり飲んだりする人も多く、夜まで賑わっていました。

映像・PA

映像演出は客席すぐ横、隅の方から。プロジェクターの前に水の入ったガラス容器を置いたり・・

透明なものを重ねてみたりを、光を操っていました。

時には花の影を出したり。リアルタイムで音の流れに合わせて視覚表現を生み出す、水色さんの腕とセンスの賜物でした。

PAの仲良しカットも1枚。設営、転換、撤収とかなりバタバタだったのですが、よい音響を作っていただき、特に事故もなかったのでありがたかったです。

参加者の声

感想

当日は準備から片付けまでバタバタしていましたが、ものすごく濃い時間を過ごせました。

まず嬉しかったのは、チーム「タビノエ」の全員とコンセプト = 描きたい「旅の絵」を共有することができたこと。

出演者の音楽が素晴らしい!ということはもちろん、フライヤー、映像、PA、撮影、そしてドリンクなど世界観を一緒に作り上げることができました。

特に写真×映像のビジュアル表現は、単に「映像で綺麗な風景があれば」という最初のイメージを遥かに想像を超えた演出になり、音楽含めてプロたちの協創力に驚かせられました。ストーリー性による没入体験の深さや、光や影にも音が見えることに気付かされました。

WEBサイトやフライヤーも含め、”クリエイティブ”が音楽をより魅力的にすることができる、と思い直す体験でもありました。

告知も各関係者にたくさんご協力いただけたからこそ、イベント直前に集客がぐんと伸びたんだと思ってます。

お客さんの感想も、直接やSNSでたくさん目にしました。誰かにとって、少しでも「忘れたくない日」を作れたことが嬉しかったです。

旅人も多く訪れてました。海外旅行から帰ってNui.に宿泊して北海道に帰る人。(なんといつも行く古民家の美容院に昔住んでいた人!)大分からライブのために東京旅行に来ていた人。(前職の先輩が大分で出会った人!)そして当日券で現れた中国の方。[.que]さんが好きみたいで、ライブがあることを偶然知って来てくれたようでした。旅の最中の景色はどう映ったのかな。

即興セッションの中で取り決めもなくいくつもの音が同時に鳴らされた時の共鳴のように不協和音であったり、時々奇跡の響きにもなったり、「タビノエ」の真意は実はそういう所にあるのかなと思っています。

TINÖRKSの建水さんがブログで書いていたこの言葉もそうだなと。美しいものでないから刺激を受けることもあるし、逆に奇跡に気づかないこともきっとある。

友人 服部くんが書いて暮れた「旅は一瞬、でも一生忘れられない一瞬。」という言葉もそう。この日に思い出した風景はどうだろう。この日を思い出すのはいつだろう。

[.que]さんの「過去から繋がって今回のような時間を過ごせたのはとても意味のあることだと感じた」という言葉も嬉しかったな。”好きを続けること”を間接的に勇気づけてくれたことで、一緒に”好きをつくること”ができたのかなと思うと、じんわりします。

minamo杉本さんからも、メールにて「意外と一緒にライブをやった事がなかったのですが、曲も少しできたのでこれを機にminamo & moskitooとして作品(アルバム)づくりを進めることにしました。」という嬉しい言葉を。タビノエで披露して頂いた曲、既に好きなのです。

そして、「それとイベントのキュレーション素晴らしかったです。場所選び、コンセプト、ブッキング、告知/宣伝、設営等これらをしっかりできる人をなかなか最近は見たことがなかったので、すごく関心しましたし、出演するものとしては安心して演奏に集中できましたし、少しばかりエレクトロニカ音楽シーンに関わってきた者としてはとても励みになりました。」という大変有難い言葉も。

自分の好きな音楽をもっと広げたい、良さを知ってもらいたい。そういう気持ちで今年から試行錯誤で始めたイベント企画が、一ついい形になったなと自分でも言える日になりました。

自分が悩みに悩んで生み出した名前やコンセプトが、いくつもの熱が重なりあった結果、誰かが何かを考えるきっかけになったり、新しい活動が始まるきっかけになったことがとても嬉しいです。

改めて。チーム「タビノエ」のみなさん、最高でした!

おまけ

左上から、PA大場さん、あらちゃん、きゅーさん、minamo杉本さん、TINÖRKSギター霜野さん、TINÖRKSチェロ久々津さん、TINÖRKSキーボード建水さん、minamo安永さん。

下段は左から、水色デザインさん、石松、TINÖRKS川原さん、moskitooさん。そしてこの写真や記事中に出てくる写真を撮影いただいたのは、清水舞さん!

『タビノエ – きこえる音、うかぶ風景 -』

■出演
minamo & moskitoo

[.que]

TINÖRKS

■フライヤーデザイン & 写真提供

Maki Hayashida

■映像演出

水色デザイン

■音響

大場 傑

福田 新

■撮影

清水舞

■主催

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