orange plus music

Event

月の雨が降る夜に優しい歌が寄り添った「星空ごこち2023 プラネタリウムライブ」イベントレポート

2023.02.23

2023年2月12日、「星空ごこち2023 プラネタリウムライブ」を開催しました。

2022年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止。同じ出演者を迎える公演②と、新たに2組を迎えた公演①の1日2公演・プチフェスとして、2023年は無事に開催することができました。

感染対策として、140の定員は100席に削減。子供からお年寄りまで幅広い年齢層が集まり、事前申し込みの抽選倍率も1.5倍と多くの申し込みがありました。

当日の様子を、写真と参加いただいた皆さんのツイートと共にレポートします。

開演前

会場はいつもの、東新宿駅から徒歩3分ほどにある新宿コズミックセンター。公益財団法人新宿未来創造財団が運営する施設です。

冬の終わりで雪が降った週でもありましたが、この通り朝から快晴!

普段は教育目的で利用されており、貸切は行っていないことから、区民にとっても今日の「星空コンサート」は年に数回の楽しみなのです。

会場のボランティアスタッフが受付や誘導、そして星空演出で協力くださり、いよいよスタート!

公演① 前半:adagio

まずはお昼の公演から。歌、バイオリン、ピアノによるクラシックトリオadagioが、まだ明るいドームに登場しました。

厳かな雰囲気の中、だんだんと暗くなり、夕暮れを超えて星が少しずつ見えてきます。

穏やかで幻想的な音が溢れるまま、薄く現れる林の演出や、ゆっくりと回転する天球。身体の力が抜けて、リラックスしていきます。

オーロラが舞う”オディエ”や、真っ暗な中での”あの湖で”では美しい澄んだ歌の情景も見えて、とても心地よいひとときになりました。

adagio セットリスト

01. 継ぐ光

02. dot and line

03. 歌が、月の光に溶けていく

04. オンブラマイフ

05. Ave verum corpus

06. オディエ

07. in the fog

08. あの湖で

09. ゴルトベルク変奏曲

星空解説

各公演の演奏の間には、10分ほどの星空解説があります。今日の星空、季節の星座、そして星座にまつわる物語。空を指差す子供の姿もありました。

公演① 後半:古川麦

後半は古川麦さんが弾き語りで出演。杉本亮さんがピアノとなり、普段は見られないデュオ演奏となりました。

1曲目は”星めぐりの歌”。星空解説の星座たちが夜空に早速あらわれます。

明るいピアノに古川さんの鼻歌も混じり、中盤は踊りたくなるような楽しい空気に。

流星が流れる”コメット”では「君は言う 不可能じゃない? 僕は言う 不可能じゃない」と歌い、今なら何でもできるような気持ちになったのでした。

アンコールは明るい中で。来場者もリクライニングから起き上がって、大盛況の中で公演①は終了しました。

古川麦 セットリスト

01. 星めぐりの歌

02. 灯火

03. Moon River

04. Rivulet

05. コメット

06. 星の歌

07. Why

08. シースケープ

en. 見つからなかった

休憩

公演①と②の間、プラネタリウムのある8Fから見た夕日がとても綺麗でした。

公演② 前半:moskitoo

夜の部はmoskitooさんからスタート。ステージにはたくさんの機材が並びます。

はじまりは緑がかった照明で。だんだんと夜へと向かい・・

満点の星空の中、地球を飛び立って宇宙へ!心地よい電子音が鳴る中で、ふわふわと旅へ出かけるような演出になっていました。

”nunc”では流星も流れ、最後には新宿に帰り着き、夜空にはウサギが。卯年なので、ということでしたが、宇宙旅行で出会った月のウサギかも・・と想像するようなひとときでした。

moskitoo セットリスト

01. tum

02. wonder particle

03. molder

04. palm fable

05. sine

06. nunc

公演② 後半:浮

後半は浮さんが登場。ギターには蛍光テープが貼られ、ステージの照明も最小限になったことから、一番真っ暗な時間に。

真夜中でも、あたたかい歌につつまれて、時は静かに流れるようで。静かに見上げる星と共に言葉がすっと入ってくる、とても安心できる時間でした。

“つきひ”では、流星や照明の色の変化に合わせて、歌も一呼吸おきながら、優しく歌い上げていきます。その1秒1秒が美しく、心に残る瞬間となりました。

最後は短い歌をうたう

泣いているのか 月の雨を降らす

あなたは白く柔らかく

切なく深く美しい陽

朝焼けへ向かう空。アンコールは明るい中で”見上げてごらん夜の星を”のカバーが演奏されました。

浮 セットリスト

01. 星霜

02. あかるいくらい

03. 石の浜

04. 湯気

05. はるにれ

06. つきひ

07. そのもの

en. 見上げてごらん夜の星を

参加者の声

そのほか、会場で記載くださったアンケート(一部抜粋)

・adagioが星空のイメージピッタリでとても良かった。次は孫を連れてきたい。

・想像以上に素晴らしかったです。特に古川麦さん感動しました。今まできいたことのないピアノでした。

・mosktitooさんと星空がとてもあう。とけあっていました。

・音楽と星空のマッチング具合がとても良かった。夕暮れ→夜明けの流れの構成もいいと感じた。

・また来たいです。こんなにプロの方のBGMで星空を楽しませていただき、南半球の空、南が地の空になったりと宇宙の広大な世界に素晴らしい音楽と共に引き込まれました。

・演奏も良かったですが、途中の星座解説も良かったです!

・心にしみわたるとても特別な時間でした。

・宇宙にかえってしまいそうでした。

・日曜日の午後のひと時癒されました。

・本当にぜいたくな企画で驚きます!!素晴らしかったです。星空と共に上質な音楽2組とも最高でした。毎回参加したいです。

・ゆっくり星空と歌声に浸ることができた。

・ライトの表現もすごくいいし曲も聞けて最高でした。またあると嬉しいです。

・プラネタリウムでコンサートを聞くのは初めてでしたが星空に没入できてまた歌の世界にも入り込んだようなとても素敵な時間でした。来年も是非聞きに来たいです。パンフレットも素敵でした。

・もっと星座の話を聞きたくなりました

・あまりにリラックスしすぎて眠ってしまいましたが、それもいいと思いました。

・公共のものをこれほど文化的に利用したイベントはめずらしいとおもいます。

・3ヶ月に1回か月一でやってほしい。3000円はとってもいいと思う。

感想

昨年が中止になってしまった分、今年は開催できてよかったなと思います。

2公演なのにPAは大場さんのみ!真っ暗の中の転換どうしよ〜!という状況だったので、急遽ヘルプでpaniyoloさんにお手伝い頂くという..。本当に助かりました。

6年目のマインドとしては「公益財団と非営利のイベントをしよう」「収支はトントンで、来場者・出演者・スタッフの満足度が大事」というところに落ち着いていて、チケット代を上げれないことでの謝礼金額には申し訳なさを覚えつつも、収支を一部オープンにしたり、こういう事情を伝えたりと、フラットな感じで開催できたかなと思っています。

受付や誘導、機材を準備くださる方々、そして星空解説の演出スタッフなども会場の方やボランティアなので、本当にありがたい限りです。絶妙なバランスの中で助けられまくりながら、いい日を一緒に作り上げられたと思います。

昔はチケットやポスターも全部こっちがデザインする!という気持ちでしたが、今年は会場側でいい感じに作ってくれていて、それでいいなと思うようになっていました。お金を支払うからやって、ではなく、いかに楽しい場を一緒につくっていくか・いかに皆さんがやりたいことを実現するか、という軸でできることをもっと考えていきたいところです。

あとは観に来てくださった友人知人が終演後に声をかけてくれたり、物販を購入いただいたり、メールで感想を送ってくださったり。アンケート結果もそうですが、ちゃんと届いてるんだな、と思うと、頑張ってよかったな、と思います。

日常に近い場所で、非日常なイベントを通して、穏やかな音楽と出会い、そして日常の景色がほんの少し変化していく。そんな流れを意識しながら、また次回も開催できるといいなと思います。

『星空ごこち 2023 プラネタリウムライブ』

■出演

adagio、浮、古川麦、moskitoo

■フライヤーデザイン

坂口ナオ

■音響
大場 傑、Paniyolo

■企画・撮影
orange plus music

■主催
公益財団法人新宿未来創造財団

Share

  • 穏やかな音楽メディア『Ucuuu』

    このブログの執筆者が運営しているWebメディア『Ucuuu』(ウクー)。「穏やかな音楽のある生活風景を紹介するAmbient Lifescape Magazine」をテーマに、アーティストインタビューやおすすめ音楽について発信しています。ぜひ覗いてみてください。

    詳しく見る

他にも、場所や演出にこだわった、
小さくてもあたたかい音楽イベントを企画しています。

詳しく見る

穏やかな音楽に出会う
音楽イベント企画

日常の見方が変わる、非日常なライブ体験

orange plus music について

orange plus music

Contact

お問い合わせ

イベントに関わりたい!というスタッフ希望の方、
企画イベントの悩みを聞いてほしい!というイベンターの方、
アーティスト・企業・会場からのイベント相談など、
お気軽にご連絡お待ちしております!