2社目のCINRAを5年で退職し、次のステージで行くことを決めました。とても刺激的で楽しく、自分を強くインスパイアしてくれた時間でした。個人的な目線で、CINRAで働いたことのまとめと今後の自分について書いていきます。
芸術文化に向き合い続け、人を・世界を変化させることを諦めない会社:特に得たことは?
新卒入社したアイレップを退職した時のブログにも書きましたが、CINRAに入社した主な理由は2つ。一つは音楽を「広げる」ことの次に、どんな形で・どんなコミュニケーションで届けるかという「クリエイティブ」に興味が湧いたこと。
もう一つは、より音楽に近い環境へシフトしたいと思ったこと。そこで、学生時代から好きだったメディア「CINRA.NET」がクリエイティブ制作の事業も行っていたことから、Web制作のディレクターとして株式会社CINRAに転職しました。1社しか受けていません。
CINRAは当時メディア運営とクリエイティブ制作を軸に、求人サービスやEC、イベントなどを行う会社でした。最近は教育事業に注力しつつ、2021年には「芸術文化×社会課題」というテーマで全てのメディアを統一し、ロゴも刷新されています。
Web制作のディレクターとして入社しましたが、ディレクターポジションとして様々な受託プロジェクトや自社企画に関わらせて頂きました。CINRAで働いて特に得たことを3つ書いてみます。
サバイブ力
社風や規模感的に、個人のアイディアや行動で仕事が作られていく会社でした。コロナ前からリモートワーク制度があったり、副業制度が比較的寛容であったりと、より本質を見据えた自由度の高い仕事環境だったと思います。
逆に言えば責任が付随する訳で、プロジェクト進行における判断や、そもそも自分たちは何をすべきか?ということも、自分で考えていく必要がありました。
アイレップ時代に同僚が働き過ぎで倒れたことをきっかけに、元より仕事の効率化意識は高い性格でしたが、CINRAでディレクターポジションで働く中で、更に自分一人で何とかする力が鍛えられました。
クライアントや代理店との均衡、プロジェクトメンバーや上司との板挟み、差し迫る納期、達成しない売上目標、案件がなく営業しないといけないけど何もつてがない場面..などなど。どこの制作会社にもある光景かもしれませんが、前職のような500人規模の分業会社では経験できないことでした。
もちろん数多くの失敗や関係者に多分にご迷惑おかけしたこともありますが、、その分いまは仕事を進める中での”なんとかなる感”というか、どうにかしてうまく進めていくサバイブ力みたいなものが付いたような気がしています。
多岐に渡る制作ディレクション/プランニング力
Web制作のディレクターとしては、1,000万規模のCMSサイトを始め、コーポレートサイト、キャンペーンサイト、メディアサイトなど様々な業種や規模の制作に関わらせて頂きました。フェーズとしても営業から企画提案、制作進行、運用まで丸っと担当させて頂くことが多かったです。
制作では、チラシや冊子など紙の印刷物、スチール写真、映像、BGM楽曲、グッズ、記事など様々なアウトプットに関わらせて頂きました。時にはアイレップでの経験を活かして、Web広告運用やアクセス解析などを行うこともありました。
また、自社イベント・5万人規模の大人の文化祭『NEWTOWN』を始め、音楽イベントやトークイベントなど、イベント企画にも多く関わらせて頂きました。withコロナ期は2万人規模のオンライン文化祭や芸術祭のオンライン企画発表会など、リアルな現場に限らず、オンライン配信のディレクションも多く経験させて頂きました。
芸術文化に向き合う姿勢
CINRAの一番の特徴が、芸術文化を愛し、現場に向き合い、仕事としてサステナブルに支える方法を模索し続けていることだと思います。
会社としてのビジョン、組織の中でのコミュニケーション、そして事業として継続していくことなど、ずっとやってきている芯の強さを節々と色んな場面で感じます。特にNEWTOWNで実現したピースフルな現場など、CINRAじゃないとチャレンジできないプロジェクトも多くありました。
芸術文化に関わる仕事は、単純に売上を考えていくと厳しいジャンルです。組織として、より大きな規模で実現していこうとする姿勢を本当に尊敬していますし、今後も応援していきたいと思ってます。
Web制作は独学のみの経験だった自分を一から育ててくれた旧クリエイティブチームや、時に厳しい言葉をくださった社長やAC時代のリーダー、そしてたくさんのプロジェクトを共にした社内外のメンバーなど、多くの人に大変お世話になりました。
コロナ禍での退職はリモートでのメッセージでしたが、優しい言葉を多くかけてもらったことも嬉しかったです。「素晴らしい人生を!」という言葉はきっと忘れないと思います。
次のステージについて
30歳になるタイミングでフリーランスになることに決めました。この2年くらいリモートワーク続きなので働き方は変わらず、奥さんも元からフリーランスなのであまり突然味はないのですが、個人の音楽イベント企画も続けつつ、より身軽になったので気軽に色々なことにチャレンジできたらと思います。
自分の価値観としても、小さくてもあたたかい場づくりを続けていきたい気持ちがあり、会社として受けるには予算の理由で難しかったことも、個人の身の丈では十分に実施できることが多いと思っています。
これまでのイベント実績や自分ができることを簡単にまとめたポートフォリオを作ってみました。もし興味ある方がいましたら info[at]orangeplus.me までお問い合わせ頂けると嬉しいです。
そして!創業から関わってきたGerbera Music Agencyにがっつりコミットしていきます。GMAはアーティスト向けにはデジタル広告、ブランド向けにはプレイリスト制作やイベント制作など音楽を絡めたPR企画を行う会社です。
これまでも、GMAやPlutoのサイトを制作させて頂いたり、企業のブランドプレイリスト制作やアーティストのWebサイト制作などで関わってきました。様々な選択肢を考えた結果、自分の好きな音楽にどう貢献していくか?また仕事としてどう生きていくか?をより本気で考えていくという、腹をくくって向き合う覚悟でコミットすることを決めました。
もちろん代表の金野さんが信頼や熱量を積み上げてきたからこそ、いま会社として成長を続けていて、この段階でよりコミットさせて頂けるのはタイミングや運の巡り合わせに本当救われているな、と思います。
自分はブランド向けソリューション事業のメイン担当として色々自由度高く仕事させて頂いています。これまでCINRAでは現場寄りのプレイヤー目線中心に仕事をしていましたが、今は事業戦略的な目線になって中長期を考えながら営業やパートナー連携、組織のことなどに以前よりも少し目がいくようになりました。
必ずしも高い予算がないと仕事を受けれないという訳でもなく、身の丈に合う金額感で仕事ができることは自分に合っているようです。また、ちゃんと受注して納品しないと自分が食っていけないというフリーランス環境も、今は性に合っているようです。
最近の事例では、代理店さん経由でご相談頂き、ケンタッキーさんのクリスマスキャンペーンに伴うプレイリストをPlutoチームで複数制作させて頂きました。
ありがたいことに問い合わせも日々頂き、Spotifyとパートナー関係を組ませて頂いたり、代理店の方に他クライアント様に営業いただいたりと、日々充実した仕事をさせてもらっています。1月後半はライブ収録映像が公開されたり、ビジュアル展示と連携したプレイリストが公開される予定です。
ただプレイリスト自体は事業としては全然強くない(ブランドにとって必ずしも必要になる存在ではない)と思っているので、もっとアーティストやブランドに必要とされるソリューションを生み出していきたいというのがこの一年の目標です。
もしこの記事を読んでくださった方で興味を持って頂いた代理店やブランド担当者の方には、実績やご支援できることをまとめたサービス資料があるので、お手数ですがPlutoのお問い合わせフォームからご連絡頂けると嬉しいです。
そして、GMAは採用や外部パートナーも積極検討中です。音楽に関わるデジタル広告に興味がある方や、企業ブランドと共に音楽企画を実現していきたい方など、新卒・中途問わずオンラインミートアップから会話できればと思うので、ぜひご連絡ください。
おまけ:CINRAの思い出プレイリスト
最後まで読んでくださった方に、CINRAの思い出プレイリストをお裾分け。イベントやWebサイトで関わった音楽、楽曲制作プロジェクトで生まれた曲、いつか渋谷オフィスのバーで一緒に聴いた曲・・などなど。なんとなく旅立ちテイストの歌詞が多く、流れもいい感じになったのでよければぜひ。