• IDEA

  • 2022.12.29

「星空を通して新しい音楽の楽しみ方に触れて欲しい」個人でプラネタリウムライブを6年続ける想い

星空ごこち プラネタリウムライブ

はじめまして。個人で音楽イベントを企画している石松といいます。あだ名は”がちゃーん”です。

いちごはあまおう、みかんは清見オレンジが好きです

 
東京・新宿で『星空ごこち』というプラネタリウムライブを開催して6年目になります。満天の星空の中で、穏やかな音楽を楽しめるイベントです。
 
多くのスタッフに支えられながら、これまで合計15名のアーティストが出演し、合計500名ほどのお客さんが遊びに来てくれました。
星空ごこち

歴代『星空ごこち』フライヤー

 
会場を管理しているのが公益財団法人であるため、幅広い人が足を運びやすい金額設定にする必要があり、入場料は毎回1,600円とかなり安め。座席数は140ですが、コロナ禍では30〜100席に減らして開催してきました。
 
ありがたいことに、初回からほぼ毎回の公演が満員御礼となっています。多い時は事前申し込みの抽選倍率が200%にも。この来場者数×入場料がイベント収入になりますが、企画運営を委託されている石松に入ってくる金額はこの半分ほど。
 
その委託費用の中から出演者やPAヘの謝礼、フライヤー印刷費や飲食費を経費として除いていくと、特に運営側に利益は残りません。そもそも謝礼も薄謝でお願いさせて頂くしかない規模感で、協力頂いている皆さんにはとても感謝しています。
星空ごこち2019_que_3_七夕プラネタリウムフェス

水中のような絵と照明の演出。星空だけでない表現もできます

 
「音楽イベント企画の手引き書。個人で初めて企画したい方へ」の記事でも書きましたが、イベントの準備はそれなりに大変です。企画し、オファーして、告知、運営準備、そして当日を迎え、事後精算をし..。出演者の方にも事前にリハーサルに来て頂くなど当日以外の稼働もあります。
 
でも、お金のためじゃない価値を感じているからこそ6年目を迎えています。これまでの『星空ごこち』を振り返りながら、その理由を紹介します。
 

初めてのイベント企画がプラネタリウムライブだった

大学を出て「好きな音楽を広める」ことがやりたくてWEB広告代理店に就職。3年目に広める手法だけでなく伝わる形・クリエイティブも大切だと思いWebサイト制作のディレクターとしてカルチャーメディアCINRAに転職。
 
そして今はGerbera Music Agencyで音楽とコラボレーションした広告企画制作をしつつ、フリーランスでもKINTOの楽曲制作プロジェクトの仕事をしたりと、音楽尽くしの日々を送っています。
 
イベント企画に興味を持ったのは2018年。CINRAのNEWTOWNに関わった経験からも「好きな音楽を広める」にあたり、webでは伝えきれないリアルの体験づくりをしたいと思い、個人でイベント企画を始めました。
 

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好きな音楽ジャンルであるエレクトロニカやアンビエント、アコースティックなどの「落ち着いた音楽」は、どちらかというとマイナーな存在。もっと日常的に聴いてもらえるような文化を作れないか?と考えた時に、まずは知ってもらう機会や、好きになってもらう瞬間をつくる必要があると思いました。
 
落ち着いた音楽にある「リラックスできる」「考えを深められる」などの魅力を感じてもらうにあたり、どんな場所・状況なら自然に聴いてくれるか?アーティストを知らなくてもイベントに来たいと思ってもらえるか?と考えた時に「七夕プラネタリウムライブ」に行き着きました。
会場1_星空ごこち 2019 七夕プラネタリウムフェス

西早稲田駅から徒歩すぐ。新宿区民に親しまれている場所です

 
そして、ご縁あってご一緒できることになったのが新宿コズミックセンターです。いわゆる大規模で最先端の機器によって演出されるような会場ではなく、こじんまりとしていて昔ながらの味がある、そんな安心できるような雰囲気に惹かれました。
 
普段は教育目的での利用でしか開放されていないこともあり、イベントでもただ演奏だけをするのではなく、転換時間に「星空解説」をおこないます。季節の星の紹介や星座にまつわる物語を聞いた後に、ライブと一緒に星空が動く様子を見て想いを馳せることができるのです。
 
その他の条件も、公益財団ということもあり最初はすり合わせが大変でした。フライヤー・Webサイト・PR施策・星空演出なども、会場側に「これが今回のイベントにとって・お客さんにとって必要なんです!」と相談し、理解いただきながら様々なわがままが実現していきました。
星空解説_星空ごこち 2019 七夕プラネタリウムフェス

天球には星座やオーロラを投影することができます

 
今となっては会場側とも長く同じ目線で続けられて本当にありがたいです。初回はすべてが初めてで、上手くいくかな、何かトラブルが起きないだろうか、とドキドキしながら当日を迎えたことを覚えています。
 

やってみて分かった星空×音楽の魅力

イベントが始まると、夕方から夜へとだんだん暗くなっていきます。リクライニングしながら見上げる天球に星が少しずつ見えてきて、やがて満点の星空へ。優しい歌が天井から降り注ぎ、あたたかく音色のピアノやギターが会場を包んでいきます。
星空ごこち2019_nakagawa_2_七夕プラネタリウムフェス 星空ごこち プラネタリウムライブ
息を飲むような美しさがそこにはありました。何年目でも、いつも当日に思います。やっぱりいいなぁ、心地よい時間だなぁと。
 
この星空演出は、会場のボランティアスタッフがコンソールで操作しています。なんと、ここまで5年間はずっと同じ方が担当して頂いています。もうツーカーの仲で、星空ごこちの空気を一緒につくってくれています。
 
演出は事前に行うリハーサルの時に楽曲ごとに考えていきます。出演者も星にまつわる曲を選んでくれたり、一緒に演出案を考えたりと、準備作業の中で一番楽しい時間です。

曲調や歌詞に合わせて、何分何秒くらいで月を出そう!とタイミングを指定することも

 
こういった演出へのこだわりは、ちゃんと来場者にも届いている実感があります。地元のおじいちゃんおばあちゃんがいらしてくださったり、子供を連れた家族もいる中で、いつもイベント後の物販は多くの列ができ、初めて見た出演者を好きだと思ってくれてCDを購入してくださったりします。出演者にとっても新しい出会いになっていると思います。

毎回とっている来場者アンケートも高得点ばかりとありがたい限り

 
こうした当日の演奏や来場者の感想を聞くたびに、毎回思うのです。やってよかったなと。

イベントというものは色々と当日に事件が起こるもので、ライブ中に物音がしてしまったり、演出のタイミングが少しずれてしまったりなどあるんですが、でも逆に音と演出が完璧に合う瞬間があったり、嘘みたいに静かな時間を共有できたりと、その緊張感のある揺らぎの中でぴったり同じ感覚が充満した時はとても気持ちがよくて、その瞬間でしかない奇跡みたいなことが本当に起きるから最高だなと思います。2年目も盛況 300人が集った「星空ごこち2019 七夕プラネタリウムフェス」イベントレポート

 
出演者アーティストから「またプラネタリウムでライブしてとファンから言われるんだ」という声を頂くこともあります。この他では味わえない特別な時間を多くの人に満足頂いているという実感。これが一番の原動力となって続けることができています。
星2_星空ごこち 2019 七夕プラネタリウムフェス

朝焼け・夕焼けの色や、オーロラのような演出もできる

 
そうして続けた3年目。新型コロナウイルスの感染拡大が訪れました。
 

コロナ禍でも人数制限をしながら続けた想い

コロナ黎明期はイベントを開催するかかなり悩みました。感染拡大が起きて音楽業界全体にマイナスな影響を与える訳にはいかない。でも文化の灯を消したくはない。
 
そうした想いの中、会場とも慎重に日々判断を進め、対策をきちんととった上で、無事に3年目以降も開催することができています。
 

140の席を30席にまで減らして開催したことも

 
この時に支えとなったのも、やはりお客さんからの言葉でした。
 

このご時世にあたり、色々と大変だったと思いますが、開催頂き本当にありがとうございました。これからも感染に気を付け共に頑張っていきましょう!満点の星空とピアノに癒された「星空ごこち2021 冬のプラネタリウムライブⅡ」イベントレポート

 
不安が続いているコロナ禍でも、星を見上げるように、自分自身を見つめたり、穏やかな気持ちになったりする瞬間がきっと必要だと信じています。だからこそ、規模を小さくしてでも続けてきました。
 
しかし、5年目は東京都のまん延防止宣言で初めて中止になってしまいました。
 

次回6年目は2/12に開催。情報拡散という形で応援いただけると嬉しいです!

5年目に中止となってしまった回の出演者、moskitooさんと浮さんに、6年目にも改めて出演頂くことになりました。そして昨年の中止分のリベンジも兼ねて昼にも別公演を開催。こちらには古川麦さんとadagio(太田美帆/小松陽子/根本理恵)に出演頂きます。
星空ごこち プラネタリウムライブ

よく見ると出演者のシルエットになっています。イラストは奥さんに描いてもらいました

 
コロナの状況はまだ分かりません。また直前に中止となってしまうことが怖いです。
 
でもイベントをするには前々からの準備が必要です。今は開催できると信じて、この特別な体験を多くの人に体験して欲しいから、頑張って告知したいと思います。
 
とはいえ個人の情報発信には限界があります。11月に開催した別イベントでは直前に申し込みが伸びたのですが、今回も似た流れなのか、まだ席に余裕がある状況です。1/23までの事前申し込み期限までに、なんとか各回100名の申し込みを集めたい。
 
当日いい景色を見られることを保証します!そしてイベントを通して来場者に「こんな音楽の楽しみ方があるんだ」と感じてもらえれば、イベント後に生活の中でも聴く音楽に変化が訪れたり、少し心が穏やかな時間が増えたり、優しい気持ちで過ごせるかもしれません。
 
直接参加せずとも「星空ごこちっていいね」と思ってくれる方が増えれば、来年もまた続けていく力になります。皆さん一人一人の情報拡散によって、新しい人に情報が届く可能性があります。
 
なのでぜひ、この記事を読んで興味を持って頂いた方はぜひ遊びに来て頂けると嬉しいです!そしてもし来場が難しくても、以下のツイートを拡散いただくだけでもとても嬉しいです。よろしくお願いします!

ここまで読んで頂きありがとうございました!
 
 
 
※追伸:長くなると思って書かなかったのですが、お金に関する悩みもこの6年様々な葛藤がありました。最近は「イベントは非営利目的で収支トントンを目標に行う」に落ち着いています。この辺り、今年はアーツカウンシル東京の『芸術文化創造活動の担い手のためのキャパシティビルディング講座』に行っていて、学びを受けてのレポートを執筆中ですので、また来年にお知らせさせて頂きます!

WRITER

石松豊 / がちゃーん

穏やかな音楽と、揺らぎのある風景と、祭があればよい。アンビエント/エレクトロニカなどが好きでプレイリストをよく作る。個人でプラネタリウムやカフェでコンセプト立てたライブイベントを企画するのが趣味。詳細プロフィールや活動実績はWORKSよりご覧ください。

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(オレンジプラスミュージック)

音楽とインターネットについて考える個人ブログ。最近は個人イベント情報の告知とレポートを中心に更新しています。詳しい活動はTwitterから。

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