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風の音色が聴こえた未来への旅「タビノエ – きこえる音、うかぶ風景 – vol.2」イベントレポート

2019.12.30

2019年11月30日、蔵前のゲストハウスNui. HOSTEL & BAR LOUNGEで「タビノエ – きこえる音、うかぶ風景 – vol.2」を開催しました。
 
昨年に引き続き2回目の開催。「風景を感じる音楽」をテーマにした、エレクトロニカと映像演出のライブイベントです。
 
当日の様子を写真と共にレポートします。

撮影:清水舞
 

Nui. HOSTEL & BAR LOUNGEへ


開場前に日が暮れた秋の終わり。宿に戻る旅人も合わせて、少しずつNui.に人が集まります。

この日限定のオリジナルカクテルも。黄色はハーブと柑橘系で爽やかな『Night-time Traveller』。
 
お酒を手に話す賑やかな空気の中、ライブが始まります。

LIVE:no.9 × Tomoya Ito Guitar Duo feat. Suguru Oba


旅の始まりはno.9(Joe)さんとTomoya Itoさんのギターデュオ。
 
今日は特別トリオ編成。no.9 orchestraでキーボードを弾き、タビノエを始めとしたorange plus music企画ライブでPAをいつもお願いさせて頂いているSuguru Obaさんがピアノを弾きます。


船出や飛行機など旅立ちを感じる映像をバックに、アコースティックギターとピアノが心地よく流れる空間に。
 
映像演出は水色デザインさん。プロジェクターから旅の映像を映しつつ、音に合わせてガラスや水で光や影の模様を重ねます。

途中、熱くギターを弾くJoeさんの姿も。


ギターとピアノは木のぬくもりのあるNui.の中をあたたかく包むように響き、揺れる布に映る波や雲の動きと呼応して、自然のリズムを感じるようでした。

この日のPAは大場さんと福田さん(あらちゃん)。大場さんが演奏中の時は、あらちゃん一人で支えます。

逗子に住むJoeさんは、ギターデュオで海辺でライブすることもあるそう。いつか本物の夕焼けの前でまた聴いてみたいと思うようなひとときでした。
 

LIVE:Midori Hirano + Kaliber16


Midori Hiranoさんは、新アルバムのリリースでベルリンから来日。西日本からライブを巡り、タビノエがツアーファイナルです。

映像はKaliber16さんが担当。ピアノの音に合わせて、色や幾何学模様を有機的に映し出します。


ピアノの音は生音に空間系のエフェクトや渦巻くような後味が加えられ、神秘的な余韻が風の音色のように響きます。

布の揺れが静かな水面に感じたり、わずかな音の揺らぎに感じたり。色を変えて点滅するグラデーションは鼓動のように、ソリッドな音や模様のはずなのに有機的な表情を感じる体験でした。

終盤に流れた宇宙のような映像と、星の雫のようなピアノに心を掴まれ、もっともっと観ていたいと思ったあっというまの時間でした。

 

LIVE:TINÖRKS


旅の終わりを締めくくるのは、昨年に引き続き出演のTINÖRKS。関西で活動する北欧エレクトロニカバンド。
 

チェロとバイオリンの倍音が心地よく響きます。映像には自分が今年行ったノルウェーで撮影したフィヨルドや空港のシーンも。


雫さんはアイリッシュフルート、バードコール、メロディオンなどなどたくさんの楽器を演奏します。

水色デザインさんによるオーロラのような光の演出や、深い森のような映像が、TINÖRKSの音楽とぴたっと合い、本当にどこか遠くの場所へ来ているような気持ちに。
 
そして、最後はこのイベントのために生まれた新曲「タビノエ」。

きこえる はじまりの朝
浮いていく 静かにとおく
 
蒼い雲の道へ
そのままに歩いて行こう
 
それは君のタビノエ
いつの日か大切な絵になる
 
それは小さなタビノエ
未来へとおだやかに続いていく
【ライブレポート】11/30(土)タビノエ -きこえる音、浮かぶ風景 vol.2- | Tate Log ▷|

コンセプトにメロディや歌詞の言葉が付いたことで、時間の流れ方やそれを見つめる視線の柔らかさなどが表現されて、音楽の力みたいなものを新しい形で感じることができた体験でした。

音楽は想像の中で、時間を超えて旅ができる。そして、それは僕らの小さな大切な体験として、未来へと穏やかに続いていく。
 
ライブや映画を始め、もっと些細な日々の出来事も含めて、感じた心の動きの積み重ねが、未来の自分を、そして自分が視る世界を創るのだろう。そんなことを考えながら、また次の旅を願ってタビノエvol.2は終了しました。

 

参加者の声

 

企画者としての感想

同じコンセプトで2年連続開催したのは七夕プラネタリウム「星空ごこち」に続き2回目。”旅”と”音”から広がる余白の広さを改めて感じました。
 
食べ飲み話すリラックスした雰囲気の中で音楽が自然に鳴っていて、風景から日常と非日常の曖昧な境界線を行き来するようなーーきっと、できれば未来にも続く新しい視点が芽生えるようなーーそんな体験づくりが、前回の「ヒビノイロ -ゆらめく光影、とけこむ音-」に引き続き生まれていると感じます。
 
反面、もっと多くの人にイベントに来て欲しいという集客面での課題も残りました。チケット料金をもう少し安くしたり、販売方法に早割を設けたりという仕組みの改善はもちろん、より「orange plus music企画」がブランド化すればいいなと思い、助言もありLINEアカウントを始めてみています。

そういう意味でもっとこのブログも発信していかないと・・とも思っています。(もし書いて欲しいテーマあったら教えてください・・)
 
収支的な安定という意味では、CINRAでの仕事として開催した「くらしの音色 -緑ひろがる家でアコースティックライブ-」のような、企業と一緒に開催するイベントも来年広げていきたいと考えています。場所や商材に応じてコンセプトを作ることは得意です。
 
また新宿コズミックセンターで開催した「星空ごこち」や、多摩エリアを舞台に開催したCINRA主催のカルチャーフェス「NEWTOWN」など、地域コミュニティの中に入って一緒にイベントを作るのも、多くの人に足を運んでもらいやすいんだなと実感しています。「ナツカゼHOZON」のような、清澄白河でのイベントもまたやりたいですね。
 
この2年いくつかイベントを企画したことで、PA、映像演出、カメラマンを始めとして、ビジョンを共有しつつ一緒にイベントを作り上げてくださる心強いチームができつつあるのも嬉しいことです。
 
ネガティブなことを言いたい訳ではないですが、なにかと疲弊するまだまだ未来を明るく持ちにくい現代、大量の情報に流され自分自身の想いを見過ごしがちな現代に、落ち着いた音楽で自分と対話できる時間ができたり、音でなくても些細な自然の変化に意識を向ける状態になることが、豊かに生き抜いていく力の一つになるのではないか、その変化を強く届けられるのがライブではないか、と信じています。
 
2020年はもっと規模を大きくして、もっと社会への影響力を持ちたい。花屋、海辺のカフェ、美術館、廃墟などでも企画したい。面白い情報があったらぜひ教えてください。

おまけ


片付け終了後にいつもの集合写真。皆さんいい笑顔。ありがとうございました。

『タビノエ – きこえる音、うかぶ風景 – vol.2』
 
■出演
Midori Hirano + Kaliber16
no.9 × Tomoya Ito Guitar Duo feat. Suguru Oba
TINÖRKS
 
■映像演出
水色デザイン
 
■フライヤーデザイン&写真提供
Maki Hayashida
 
■音響
大場 傑
福田 新
 
■撮影
清水舞
 
■企画
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