
orange plus musicが2018年3月に聴いたおすすめ音楽をプレイリストで紹介。
Spotifyプレイリストはこちら
新しい女性シンガーソングライターに多く出会えた3月。haruka nakamuraさん、ART-SCHOOLなど好きな人たちの満を持したリリースもあり、プレイリストとしても眠りからゆっくり覚める春を思わせる楽曲の並びとなりました。
5曲ピックアップして紹介します。
haruka nakamura「アイル」
春分の日にリリースされた8cm CD「アイル」よりタイトル曲を。アコースティックでどこか懐かしい音の風景。写真家 岩倉しおりさんが担当したジャケット・MVがとても綺麗なのでぜひ見ていただきたい。
春のひかり、舞う桜の花びら、揺れる水面、少女の純な瞬間など、「大事にしておきたいもの」もしくは「いつまでも憧れな気持ち」が詰まっていると思います。とても好きです。
haruka nakamura
HP:https://www.harukanakamura.com/
Twitter:https://twitter.com/__CASA
marucoporoporo「Little boy and girl」
1月のアルバムリリース時からエレクトロニカ界隈で噂になっていたmarucoporoporo。マルコポロポロ、という名前かわいいですね。
作詞、作曲、ミックスなど一人でおこなう23歳の女性シンガーソングライター。楽曲は透明感のあるピアノ・ギター・電子音とささやくような声で構成されています。
シガーロス、ビョークが好きな方も、cokiyu、moskitoo、Noahなどエレクトロニカ×女性ウィスパーボイスが好きな方にもおすすめ。
MVから「リリィシュシュのすべて」のような世界観を感じますが、映画音楽のような、ある種ストーリーを想像させる・引き立たせる音楽にも聴こえます。
ライブの時はギターやピアノで弾き語ることもあるそう。タイミング合えばライブを観に行きたいです。
marucoporoporo
Twitter:https://twitter.com/marucoporoporo
優河「夜になる」
3月に2枚目のアルバム「魔法」をリリースした女性シンガーソングライター。「優河」の読み仮名は「ゆが」。
アルマカンのライブ動画を見ていたので少し知っていたものの、楽曲として聴いたのは今回が初めて。空間系エフェクトのギターや、ドラムの入ったバンドセットになってます。
伸びのある力強い唄が、ゆったりとしつつもずっしり響いて浸れます。MVは「さよならの声」ですが、アルバム楽曲はどれもよく、特に好きだった「夜になる」をプレイリストにチョイスしました。
優河
HP:http://www.yugamusic.com/
Twitter:https://twitter.com/yugabb
ART-SCHOOL「スカートの色は青」
一番好きなバンドは?と聞かれると、アートスクールと答えます。自分が少しマッシュルームヘアーなのも、大学時代にコピーバンドを組んでいた時の名残です。
語りたいことは多々ありますが、まず「スカートの色は青」という楽曲について。「彼女は揺らいだ スカートみたいに」という言葉が印象的な、爽やかなメロディの好きな曲です。3回目のAメロでコード変えてくるあたりがぐっときます。
とても個人的なことですが、大学時代にアートスクールが好きだったベースボーカル、ドラムと一緒に活動していたオリジナルバンドの名前が「Girl in a blue skirt」(=青いスカートの女の子)でした。
テーマは「揺れる四季と少女の物語」。12ヶ月それぞれの曲をつくりました。この時の全てを込めた音楽だったので、こうやって好きなバンドの楽曲名になったのは偶然なり運命なり、嬉しい気持ちです。
そして3月にリリースされたアルバム「In Colors」。各所のレビューにもありますが、とくかく明るい。振り切って前を向いている楽曲が多いです。
1曲目の「All the light We will see again」では「死んだ様に君は生きていくのかい? 俺はそんな風に生きていたくはない」と叫び、「OK & GO」では「家庭を持ち、キャッチボールとかしたいな」と優しく歌う。
いったいどうしたの?という感じもありますが笑、初期から描いている「純な希望」の表現方法が、悔やんだり焦がれることよりも、穏やかに認めるように変化している感じがあります。小説や映画の世界とのギャップをだんだん埋めてきている印象も。
ボーカルのディレクションの話といい、ART-SCHOOLらしさを一番近くで支えてるトディの言葉、いいな。実際に一ファンの自分も、儚そうな声とかよく聞いたメロディをまた好きになってる。歌詞の明るさにはびっくりしたけど、暗くても激しくても大事にしていた「ピュアな希望」は変わってない気がする。
— がちゃーん / 石松豊 (@orange_plus_me) 2018年3月11日
上記のトディのボーカルディレクションの話も、アートファンの一人として嬉しかったです。またライブに行こうと思います。
ART-SCHOOL
HP:http://www.art-school.net/
downy「左の種」
downyを知ったのは大学生の頃。ポストロック、インストを漁る流れで知り、変拍子がやばくてかっこいい、少し暗い世界観が好き、映像と一緒にライブをするのおもしろい、という感覚で聴いていました。
東京で一度、確か新代田でライブを見て、ライブでも再現できる音楽なんだと驚き、映像と音楽を合わせた演奏の完成度に惹かれ、すごいな、と思う存在でした。
ギターの青木裕さんが病気になり、ライブができるかわからないからギターの音を録音している、みたいな情報をツイートで知り、そして3/19に渋谷WWWでワンマンをやると知り、すぐに行くことを決めてチケットを取りました。
そして当日のライブ。正直、「今日はステージには立てないだけで、まだ生きているんだ」と思ってライブを体験していました。
downy、⊿のイントロでステージにいないギターが鳴り続けたときに鳥肌たちました。 pic.twitter.com/PWySFp4UMB
— がちゃーん / 石松豊 (@orange_plus_me) 2018年3月19日
平然とものすごい速さの変拍子を叩くドラム、その四倍の量の音を出してるベース、混沌としたダークな映像、叫ぶような唄、そしてスピーカーから流れるギター。ある種の悲しさとか暗い気持ちに寄り添う破壊衝動を感じる音楽が、この状況だからこそ、より響いたのかもしれない。美しいと思った。
— がちゃーん / 石松豊 (@orange_plus_me) 2018年3月19日
ライブは美しかった。すべて完璧だった。音も唄も映像も、同じ場所を見て楽曲の世界をつくっていた。そう感じました。「弌」「Δ」「左の種」「酩酊フリーク」「猿の手柄」どれもすごく心揺らされた。
そしてその翌日の夜に、19日のお昼に亡くなられていた、と報道されます。帰りの電車内で、唖然としました。
昨日終演後、魂のこもった目つきでギターソロを弾く映像がたっぷりと流れたこと。MCでのロビン氏の「彼も悔やんでいるでしょう」という言葉、少し泣いているように見えた表情。全てそうだったのか、と思うと言葉を失ってしまう。
— がちゃーん / 石松豊 (@orange_plus_me) 2018年3月20日
この状況の中でもdownyというバンドはライブをする決断をして、そして美しい時間をつくりあげた。その想いが、強さが、ものすごいなと思います。
どうか安らかに。これからも作品を聴き続けます。
downy
HP:http://downy-web.com/
Twitter:https://twitter.com/downy_official
他はSpotifyプレイリストにて
最後2曲は個人的なストーリー交えつつでしたが、他にもPredownが2月末に配信リリースした楽曲や、Homecomingsのアコースティック曲、アイルランドの優しい音楽Tricolorなど、春のおだやかな空気に似合う楽曲がプレイリストになってます。ぜひ聴いてみてください。