
おすすめのアンビエント・エレクトロニカ音楽を紹介するシリーズ。今回は楽曲制作に限らずインスタレーション、イベント音楽、映像サントラなど多岐に渡って活動されている音楽家、渋谷慶一郎さんを紹介します。
※画像は「ATAK015 for maria」より。
Profile
※写真と紹介文はHPから転載。
Keiichiro Shibuya
■ATAKのProfileページ:http://atak.jp/ja/about/keiichiroshibuya
1973年生まれ。音楽家。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。
2002年にATAK設立。音楽レーベルとして国内外の先鋭的な電子音響作品をCDリリースするだけではなく、デザイン、ネットワークテクノロジー、映像など多様なクリエーターを擁し、精力的な活動を展開。
今回は「アンビエント・アレクトロニカ音楽紹介」というシリーズの中で、様々な活動の中から”楽曲”に焦点をあてて紹介していきます。
Music
渋谷慶一郎さんの音をジャンルで説明するとしたら電子音楽、エレクトロニカ、グリッチ、ノイズというようなところになるでしょう。ピアノの楽曲はアンビエントという感じ方もできると思います。
まずはATAKのこのページから少しだけ全曲視聴ができる「ATAK000」というアルバム。PCの方もSPの方も「1’51」をひとまず聴いてみて欲しい。
学生時代、バンドサークルの部室にて先輩がスピーカーで流していたのが最初の出会いでした。この時からノイズ、グリッチと呼ばれる音を音楽として捉えられるようになりました。
「4’49」とか「4’37」「5’32」あたりが特に好きかもしれない。ぜひヘッドフォンで夜に静かに聴きながら妄想を膨らませて欲しい音像たちです。
無機質な「ATAK000」とは一転「ATAK015 for maria」はピアノソロアルバム。「DSD録音」「for maria」がキーワードなコンセプトはこのATAKのページでぜひ読んで頂きたい。
この相対性理論とのコラボ楽曲「Sky Riders」も「ATAK015 for maria」ではピアノ単独で収録されています。どちらのアレンジも耳に残るメロディが優しい。
ドラマ「SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜」のサントラも制作されています。
でも、音楽を作って、発表して、それで生活するっていう音楽家の活動を誰が負担するのか? という問題は常にあって、僕は企業が負担するっていうやり方がベストだと思っています。そういう意味で今回の試みは面白いし、ウェブだから誰でも聴けますよね?( 渋谷慶一郎×川上シュン アーティストと共生する新しい広告の形 – インタビュー : CINRA.NET )
これは「10 SOUNDS OF LIFE SCIENCE」という協和発酵キリン株式会社の素敵な企画での楽曲と、その対談でのコメント。こういう取り組みを、自分は広告に携わる人として増やしていきたいともぼんやり。
Live
2015年12月26日に表参道SPIRALへ初めてのライブを観に。「ピアノの生音はそのままに、残響のみをコントロールすることでピアノと空間の関係を新しく作ることができるのではないか」というコンセプトなピアノコンサート。澄み渡る音の響きに心地よい時間を覚えました。
evalaさんとのラップトップ・デュオATAK Dance Hallはまだ行けてないので、次の機会があった時には行きたいと思ってます。
Other
渋谷慶一郎さんの音楽を好きになった方は、坂本龍一さん、alva noto、evala、池田亮司さん、midori hiranoなどの音楽がおすすめです。彼らもインスタレーションや現代アートのような立ち位置での活動をしていらっしゃるので、それぞれの表現に見られるコンセプトや考え方を想像しつつチェックしてみるとよりおもしろいと思います。
また別軸ですが、Twitter等で考え方が本質的だなぁと思うことが多々あり、自分にとっては刺激的な方です。
この現代でわざわざ時間割いて会ってるのがどれだけ貴重なのかをわかってないし、集中した議論から生まれる偶発的なアイディアの可能性を知らないのは幼稚だし
— 渋谷慶一郎 (@keiichiroshibuy) 2015, 10月 3
議論とは詰まるところ交渉だし交渉とはサービスだから、あのPCとかiPhone眺めてムスっとして何も話さない人がいる会議とか人類的にあり得ないわけで
— 渋谷慶一郎 (@keiichiroshibuy) 2015, 10月 3
最近で言うとこれを真似て、ミーティングでは極力アナログなやり取りでアイディアをブレストするようになりました。自分自身でも集中力の差が実感できるので、おすすめです。