インターネットを使って無料で多くの人々に音楽を届ける方法を考えてみた

マーケティング

音楽とインターネットを考える人

距離や時間等さまざまなハンデを超えることのできる便利道具インターネット。音楽という場で「音源を多くの人に聴いてもらいたい!でもお金ない!」という時にできることを考えてみました。

(ピクトグラム by ピクトグラム2.0、音符・PC・SP by ABOUT ICOOON MONO
 
 

目次

 
1.バンドマン・宅録ミュージシャンのよくある課題
2.マーケティング思考と音楽
3.インターネットを使って無料で多くの人々に音楽を届ける方法
4.応用例(ネットレーベル、大学サークル)
5.まとめ

 

1.バンドマン・宅録ミュージシャンのよくある課題

 
先日リリースされたサイバーエーエジェントのAmeba Owndのように手軽にホームページを作成できるようになったことや、YouTubeやSoundCloud、BandCampなどで簡単に自分の楽曲をインターネット上にアップロードし公開することができるようになったことで、「インターネット上で音源を公開する」ことに関しては誰でもできるような時代になっています。
しかしそれ故に「自分の楽曲が広まらない」「届けたい人たちに届かない」といった課題が出ていると思います。
 
また趣味で活動していたり、レーベルなどに所属していないバンドマン(アーティスト)・宅録ミュージシャンにとっての現実的な悩みとしては「広告・宣伝に使用できる費用がない」「どうやったらリスナーが増えるかイメージできていない」といったものがあると思います。
 
今回はこれらの課題をもとに、如何にお金をかけずに自身の音楽を世の中に広めるか、考えていきたいと思います。
 
 

2.マーケティング思考と音楽

 

マーケティング(英: marketing)とは、企業や非営利組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動」の全てを表す概念である。(マーケティング – Wikipedia)

 
wikiでの「マーケティング」の定義は上記です。
バンドマン・宅録ミュージシャンの音楽活動では、顧客(ファン)に対しての音源販売やライブ集客において考える諸々のことにこのマーケティング思考を活かすことができます。
 
例えば、HPやSoundCloud等で音源公開をしたバンドマン・宅録ミュージシャンが無料で多くの人に音源を聴らえるようにするには、以下のことを考えていくことが重要です。
 

▼市場の中での自分達を知る(カテゴリ、コンセプト)
▼ターゲット(誰に届けたいのか)を整理する
▼目的(届けてどうしてもらいたいのか)を考える
▼手段(どうやって届けるのか)を考える

 
この思考を元に、実際にどのような手段で課題が解決できるか、次の章から解説していきます。
 
 

3.インターネットを使って無料で多くの人々に音楽を届ける方法

 
soundcloudのキャプチャ
 
▼市場の中での自分達を知る(カテゴリ、コンセプト)
 
何をしようにもそもそも自身の音楽や音楽活動自体が世の中的にどう見られるか、という視点を考える必要があります。
またオリジナルの楽曲を作成している時点で、実は「表現したいもの」「伝えたいこと」「影響を受けたこと」などの材料は揃っています。
 
・音楽ジャンルは?
大きな枠でも小さな枠でも構いません。邦楽ロックなのか、フィールドレコーディングを取り入れたアンビエントミュージックなのか、いわゆる「ジャンル」と呼ばれるカテゴリの中で、自身の音楽がどこに位置するかを考えてみましょう。
もちろん1つである必要はありませんし、曲ごとに異なる可能性だってあります。
 
このジャンルが言語化できることによって、「自分達の音源を好きだと思ってもらえそうな人たち」や「自分達の音源について言及してくれそうなメディア」を絞ることができます。
例えば洋楽に影響を受けた英語歌詞のロックなのであれば、洋楽好きリスナーだと好きになってくれるかもしれませんし、おすすめの洋楽音源を紹介しているwebメディアだと紹介してくれるかもしれません。
 
 
・コンセプトは?
多くの音が溢れる世界でも、オリジナルの楽曲が途絶えることはありません。その理由には、作り手の想いや表現したいものが千差万別であることが上げられます。
音楽を作るとき、例えそれが”感覚で”とか”適当に”作ったとしても、他にはないメロディーや背景、世界観が一つ以上あるから”オリジナル”だと宣言できているものだと考えます。
 
自身の楽曲を世の中に広めたい、という時にはその楽曲や音楽活動における自身のコンセプトを言語化することが重要です。
同じ「女の子6人組アイドルグループ」でもでんぱ組.incのように「ジャパニーズポップカルチャー最先端アイドルユニット」と打ち出すのかlyrical schoolのように「清純派ヒップホップアイドルユニット」と打ち出すのかで、聞き手の印象や全く違うことは分かると思います。
 
楽曲を作成するにあたってのエピソードや影響を受けた音楽、楽曲に込められた想い、工夫したところ、「かっこいい」「かわいい」「熱い」「お洒落」などどんな形容詞が当てはまるか、やり遂げたいこと、表現したい世界。
活動の中でぼんやりと考えていることを言語化して整理するだけで、自身の楽曲を広める際に軸となるコンセプトにすることができます。
 
 
▼ターゲット(誰に届けたいのか)を整理する
 
ジャンルやコンセプトが固まったら、広い枠から狭い枠まで、誰に届けたいかを書き出します。
「世界中のロックファン」に届けたいのか、「学生時代Syrup16gが好きだった人たち」に届けたいのか、「福岡のアンダーグランド系の音楽好き」に届けたいのか、「東京都渋谷区在住無職の25歳男性」に届けたいのか。
どんな人に楽曲を届けたいが明確になることで、後の「どうやって届けるか」を考えることができます。
 
 
▼目的(届けてどうしてもらいたいのか)を考える
 
楽曲を「届けたい人」に「コンセプト」を持って届けた時、どんな行動を起こして欲しいでしょうか。
何度も聴いて欲しいのか、好きになって他の曲も聴いて欲しいのか、音源を購入して欲しいのか、ライブに足を運んでもらいたいのか。
それぞれの音楽活動の状況によって、上記のどれを優先順位の高い目標にするかを都度設定していくが重要です。
 
宣伝・広報に関わる部分などでは、「ライブ集客人数を増やすために1週間前に会場で1時間ビラを200人に配った。結果ビラを受け取った人の中で5人が当日ライブに来てくれた。」のように、何のために何をやってその結果がどうであったかという流れが見えるようにし、良かったことは継続し良くなかったことは改善する、という風に進めていくことができれば自然と目的の達成へ近づいて行けます。
 
 
▼手段(どうやって届けるのか)を考える
 
伝えたいことやターゲット像、目的が明確になると具達的な手段へ落とし込むことができます。
インターネット上で音楽を広める、ということで今回の目的は「楽曲の再生」にします。
また、ターゲットは楽曲と同じ音楽ジャンルが好きな人で、まだそのバンドマン・宅録ミュージシャンのことは認知していない人たちだと仮定します。
今回の条件である「無料で」を踏まえると、例えば以下のような手段を考えることができます。
 
・ソーシャルメディア運営
一言にソーシャルメディア運営を書きましたが、施策はいくつも考えられます。
 
バンドの公式アカウントとしてのTwitter一つとっても、意図を持って運用するだけで情報が届く数は変わってきます。
ダイレクトに情報が届くフォロワーを増やすためには、既存のフォロワーの力を借りるのが早いでしょう。例えばRTして拡散してもらいたいならば、自身のこと以外でも音楽に関わる有益な情報を日々呟くことや、日々フォロワーと会話をしていざという時に助けてもらえるような雰囲気作りをすることが重要です。また楽曲が再生できるページのリンクを貼るだけでなく、どういう曲で、どういう時に聴くとどういう気持ちになって、そしてなぜ自分は人に聴いてもらいたいのかを読み手に伝わるように言語化することが大切です。
 
・他の人と一緒に届ける企画をする
一人が一人のことを発信するより、十人が十人のことを発信した方が届く人の数は単純に多いです。
 
いわゆるネットレーベルなどがこれに当てはまります。レーベルという団体になることで、所属する個人が届けられる人たち、またレーベルそのもののブランドによる認知も含め、圧倒的に届く人の数は変わってきます。
もちろん、協力者を集めることやwebページの準備、アルバム作成の際の音源編集などに時間は割きますが、その分の波及効果を見込めますし、何より複数人で何か企画やキャンペーンを打ち出す、という体験は楽しいものです。
「夏の夜に独りで聴きたい曲集」をテーマにして集めたら、きっと夏休みだけど暇を持て余している大学生男子の心に響くかもしれませんし、「次世代インターネットガールズ」をテーマにして集めたらニコニコ動画でボーカロイド楽曲を聴き漁っている愛すべき引きこもり達に少しの勇気を与えることができるかもしれません。
 
・楽曲が再生できる場所を増やす
これは単純に、自分の楽曲に接することができる機会を増やすということです。
 
last.fmのキャプチャ
 
「無料で」というのをキーワードにしても、以下のサービスが浮かびます。
 
 
BandCamp
楽曲の無料公開から購入のできる決済システムまで付いたサービス。英語板での利用が主な様子。パスワード突きダウンロードなども設定できるので、なにかのCD買ったりライブに来た人への特典として特別な楽曲をダウンロードでプレゼントしたい場合などに重宝します。
 
SoundCloud
一般的な音源公開の他、スマートフォンから鼻歌やフィールドレコーディング音源、ふらっと弾いてみたギター音源などアップすることができるようなサービス。
Twitterも含めwebサイトに埋め込んだ時のガジェットがとても美しく、SoundCloudに試聴音源をアップしてホームページにリンクを貼ることも多いです。
ダウンロード機能があり、どれくらいダウンロードされているかも数字で出てきます。無料板で最大2時間の長さの曲をアップロードできるため、有料版でなくても充分に機能を楽しめます。
 
YouTube
いわずもがな、世界一の動画サイトYouTubeも無料公開できる一つのサイトであるでしょう。
動画もiPhoneやmacの標準ソフトで簡単に作成できるような時代であり、またユーザーもデバイス問わず動画を見るようになった時代です。
 
Last.FM
「その人はどういう音楽を聴いているか?」が分かる音楽サービス。アーティスト側として、無料ダウンロード機能が存在します。
つまり、Aという楽曲をBくんが聴いてくれている時に「BくんはAという楽曲を聴いているんだ〜」とCさんやDさんが気付けば、聴いてもらうチャンスがあります。
 
 
まだまだMyspaceaudioleafnanamuzieFrekulなどいろいろありますがとりあえずこの辺で。
要するに、楽曲を無料で公開できる場所はけっこういっぱいあるということです。
それぞれの場所に自分の楽曲情報を載せたり、関連のあるグループのようなカテゴリと関わったり、アーティスト同士でのフォローをしたり。地道ですが、広がる一つにきっかけにはすることはできます。
 
 
このように、市場やターゲット、目的や手段を一つ一つ考えて言葉にしていくことで、実際にどのように行動すれば効果的なのか、見えてくると思います。
今回は「インターネットを使って無料で音楽を多くの人に聴いてもらう」というテーマで考えましたが、これはオフライン(チラシやマス媒体、人との繋がり)でも、「ライブの集客数を増やすには」「1年後に次のステージに上がるためには」のような他のテーマにだって応用できます。
 
 

4.応用例(ネットレーベル、大学サークル)

 
days of be-rock web企画
 
今回は長くなるので割愛しますが、上記のような思考を実際のケースにてまた説明できればと思います。
Bunkai-Kei recordsすきまレコーズなど、営利を目的としないネットレーベルや、Days of Be-Rock web企画 2013のように大学サークルでの企画で活用されています。
 
また他の記事等で書きましたら、こちらにもリンクを貼りたいと思います。
 
 

5.まとめ

 
今回の記事を簡単にまとめると、以下になります。
 

▼バンドマン・宅録ミュージシャンのよくある課題としては「自分の楽曲が広まらない」「広告・宣伝に使用できる費用がない」など
▼音楽活動にもマーケティング思考は簡単に活用できる!
▼自身のことや届けたい人、届ける目的を段階的に整理していくことで、具体的な手段に落とし込むことができる
▼マーケティング思考を活用したインターネット上での音楽拡散活動は、インターネットレーベルや大学サークルなどで実際に応用されている

 
最近自分が刺さった言葉に「マーケティングは心理学だ」という言葉があります。
論理や構造も大事ですが、実際に人が何を感じるのか、という部分に繋がっていないと上手くいかないでしょう。
現実的なラインで最適な行動選択は何なのか?ということを自分も日々の仕事に活かして行けたらなぁと思います。
 
 
また、このブログorange plus musicでは「RELEASE」ページにて音源の無料公開を行っています。
webメディア運営によりコンテンツを継続的に更新することでサイトの価値を高め、自然検索やソーシャルメディア経由での流入数を増やし、それぞれのアーティストが届けたい人たちにできるだけ多く届けよう、という試みです。
ダウンロードページからはライブ動画の視聴や音源の視聴も可能です。ぜひダウンロードをお願いします!
 
 
 
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

音楽とインターネットを考える人

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このブログを書いている人
石松 豊 (がちゃーん)

デジタルマーケティング会社からweb制作/メディアの会社へ。個人でも主に音楽関連の広告やサイト制作の仕事をしています。インターネットで音楽をもっとおもしろくしたい。

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