音楽業界がもっとやるべきインターネット広告活用術

インターネット広告

インターネット広告市場は日々進化していますが、音楽業界ってあんまり足を踏み入れてないような気がします。
今回はそんな思いつきから、音楽業界ならではのインターネット広告活用術について整理してみました。

 
 

目次

 
1.日本の広告費2014を見て
2.インターネット広告の利点
3.最近見た音楽業界のインターネット広告出稿
4.音楽業界がもっとやるべきインターネット広告の手法について
5.まとめ

 
 

1.日本の広告費2014を見て

 
電通 日本の広告費2014
 
先日発表された電通の日本の広告費2014では、「インターネット広告費が初の1兆円超え」ということでした。
この「業種別広告費」のどの部分に「音楽業界」が入るのかは分かりませんが(分かる方いましたら教えてください…!)、「趣味・スポーツ用品」であれば大きく落ち込んでおり、「交通・レジャー」だとしたら微増といった感じです。
 
音楽に関する情報を伝える手段はTVをはじめ雑誌、ラジオ、屋外広告、CDショップ、HP、ソーシャルメディア、webメディア、ライブストリーミングなど様々あると思います。
しかし、情報量が溢れる今の世の中において、伝えたい情報を伝えたい人にどこまで届けることができているのでしょうか?
 
スマートフォンやタブレットがより普及していく今後、雑誌やテレビがなくなることはないですが、消費者のメディア接触時間の中でインターネットが占める割合はどんどん大きくなってきます。
「音」はそもそもがデジタルデータであり、ライブや店舗ではない場所で消費者に音を届けるためには、広告以外も含めたインターネット上でのマーケティング施策がより重要性を増してきます。
アーティスト、定額音楽配信サービス、ライブイベント、音楽ソフト…など実際の対象は様々なパターンが考えられますが、今回はひとくくりにして考えていきます。
 
 

2.インターネット広告の利点

 
他媒体と比較したインターネット広告の利点としては、

①安価
②リアルタイムな配信や停止が可能
③数字で広告効果の検証が可能
④web上の動きをもとに配信ターゲットを選択可能

といったかんじです。
 
 
①安価
いわゆる運用型広告と呼ばれるものが多く、最低限の費用で広告を配信できます。
テレビCMでも雑誌への広告出稿でも、基本的に期間や部数による固定の広告費を支払うケースが多いと思います。
しかしインターネット広告の場合はクリックされた時のみに費用が発生するので、購買などの最終的な目的に辿り着く確率が高い消費者にのみの費用で済みます。
 
②リアルタイムな配信や停止が可能
広告を配信・停止する期間や時間を自由に指定できます。
配信後も調整はでき、緊急的な停止・変更対応も瞬時に行うことが可能です。
 
③数字で広告効果の検証が可能
広告の表示回数、クリック数、かかった費用、目標まで到達した数などを数字が見ることができます。
他の広告媒体だと、CM出稿期間にその影響で売上がどれだけ伸びたかなどを推測する必要があったり、チケット購入の際に「この情報は何によって知りましたか?」と聞くようなアンケート調査を行ったりする必要がありますが、インターネット広告ではダイレクトにその広告に対する消費者の反応を数値として計測できます。
各指標の数値の推移を見ながらPDCAを回し、都度改善していくことが可能です。
 
④web上の動きをもとに配信ターゲットを選択可能
広告を配信する際に、実際の行動データをもとに配信対象者を選択できます。
基本的に、僕らのインターネット上の行動はプライバシーを越えない範囲で日々収集されています。
ブラウザだったり、「いいね!」対象だったり、検索履歴だったり、使っているデバイスだったり、閲覧している時間だったり。
複合的なデータから消費者一人一人の興味関心や性別など様々な個性を推定し、そのセグメントを広告のターゲティング対象とすることが可能なのです。
 
 

3.最近見た音楽業界のインターネット広告出稿

 
facebook広告 tacicaのライブチケット訴求
 
自分が最近みた広告では、以下のようなものがありました。
(もっとあると思うので、ぜひ教えてください!)
 
Bunkai-Kei recordsがFacebook広告でリリース情報を訴求(サイトへ誘導して音源ダウンロード)
KKBOXがFacebook広告でアプリダウンロード訴求(アプリストアへ誘導してアプリダウンロード)
RolandがFacebook広告でページへのいいね!訴求
e+がFacebook広告でtacicaのライブチケットを動画で訴求(サイトへ誘導してチケット購入)
YEBISU MUSIC WEEKENDがイベント認知とチケット販売訴求
大森靖子がアルバム発売のタイミングでGoogle AdWordsで広告掲載
TOWER RECORDSがCriteoでレコメンド型広告掲載
 
とかです。
分解系はネットレーベルで、いわゆる営利目的の団体ではないと思うのでなんだか意外でした。(ダウンロードしました。)
tacicaは5年前とかにすごく好きで、その頃の曲の映像だったので普通に聴いてしまいました。(tacica『人鳥哀歌』 いい曲です。)
 
Facebookはページを持っていると投稿の度に広告出稿を促されますし、比較的始めやすいですね。
ただフリークエンシー(広告との接触頻度)、除外ターゲティング、リターゲティング設計などの設定が甘いのでは…というような広告には、音楽業界に限らずよく出会います。(改善してあげたい。)
ちなみに僕自身は音楽アプリのダウンロード訴求をYahoo!、Google、nendでやったり、イベント集客をGoogleでやったことがあります。
 
LINE MUSICはもうそろそろリリースされるようで、どんな広告出稿をしてくるか楽しみですね。
 
 

4.音楽業界がもっとやるべきインターネット広告の手法について

 
上記の背景をもとに、音楽業界がもっとやるべきインターネット広告の手法を目的ごとに考えてみました。
 
 
■新曲のPVを多くの人に知ってもらいたい
YouTubeの前にTrueViewと呼ばれる動画広告を流すことが可能です。
ユーザーのインタレスト設定は、例えば「エレクトロニカ、ダンス ミュージックファン」や「ロック ミュージックファン」というのも選択できます。
YouTubeの広告ってマイナスなイメージがあるかもしれませんが、少なくとも自分は最初の数秒でかっこいいイントロが流れてきたり興味を引く映像が映ったら見てしまいます。
むしろ音楽や映像作品が一番自然に認知拡大できる場所がこのTrueViewかもしれません。
 
■音楽好きがよく訪問するサイトに広告出稿したい
配信面を指定して広告を配信することが可能です。
CINRAにはYahoo!の広告枠のYDNが、ナタリーにはGoogleの広告枠Google AdSenseが設置されており、両者ともその枠を狙っての広告掲載が可能です。
他にもYahoo!ニュースのエンタメカテゴリに出すことや、もっと大きな範囲の「コンサート、音楽祭」に関係するような配信面に絞って広告を配信することができます。
 
■音源そのものを多くの人に聴いて欲しい
例えばTwitterを使っているアーティストの方は多いと思いますが、Twitterでも広告配信は可能です。
Soundcloudのリンクを貼ると自動的に再生ガジェットがツイート内に作成されるので、そのツイートをTwitter上で広告として配信できます。
 
■CDやグッズを買って欲しい
通販などで複数のCDの取り扱いがある場合、Amazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」のようなレコメンド型広告での掲載が有効です。
criteoやTAGGYなどの媒体で掲載が可能になります。(たぶん代理店経由の申込となります。)
 
■ライブチケットを購入して欲しい
チケットサイトまで繋げる必要はありますが、HPのライブ情報ページへの誘導や、Facebookのイベントページへの誘導が可能です。
一度HPを訪問したことのある人×地域で絞って広告を配信することで、より確実に購入に繋がりやすい消費者にだけ広告を見せることもできます。
 
■音楽アプリのダウンロード数を増やしたい
アプリダウンロード広告ではYahoo!もGoogleもTwitterもFacebookもありますが、nendやimobileなどのスマートフォン専用のアドネットワークの方がより効率的に、より多くのダウンロードを獲得することが可能です。
短期間で多くのダウンロード数を得ることで、アプリストア内のランキング上昇も狙うことができます。
 
■アーティストやレーベルそのものについてもっと知って欲しい
webメディア等へインタビュー掲載されることもあると思いますが、そのインタビュー記事をより多くの人に広めたいケースがあると思います。
例えばGunosyやSmart Newsなどのキュレーションメディアでも広告配信が可能なため、情報感度が高い消費者への理解促進施策として有効に活用することができます。
 
 
認知段階でも興味理解段階でも購買促進段階でも、配信設計をきちんと行うことで無駄なコストをかけずに広告を配信することができます。
ライブ活動やCD発売などのリアルでの動きと連動させながらインターネットでの広告施策を複合的に行っていくことが、より活動や事業を拡大することのできる秘訣なのです。
 

5.まとめ

 

▼インターネット広告は成長市場。情報発信のひとつの手段として有効に活用しよう。
▼インターネット広告は速さと数字が見える点で、他媒体よりも効率的な部分がある。
▼実際にアーティスト、CDショップ、チケットサイト、音楽アプリなどの広告出稿事例あり。
▼様々な目的に応じて媒体や広告素材、ターゲティングを使い分けることで費用対効果に見合う広告配信が可能。

 
現在のマーケティング施策に限界を感じてるなら、インターネット広告は次の手法としてとてもおすすめです。
音楽業界も広告を上手に使うことで、今よりもっと世の中を盛り上がらせることができるのではないでしょうか。
特にレーベルやフェス、アプリを含めた音楽サービスは広告に力を入れるべきだと思います。
 
 
最後まで読んで頂きありがとうございました!

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このブログを書いている人
石松 豊 (がちゃーん)

デジタルマーケティング会社からweb制作/メディアの会社へ。個人でも主に音楽関連の広告やサイト制作の仕事をしています。インターネットで音楽をもっとおもしろくしたい。

そのほか情報やご連絡はABOUTページからどうぞ。

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