広告ブロック機能から考える、インターネット広告が必要な理由

インターネット広告

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先日リリースされたiOS9の広告ブロック機能「コンテンツブロッカー」を受けて、そもそものユーザー・広告主・メディアにとってのインターネット広告の必要性を整理しました。また広告ブロック機能が生まれた背景を探りつつ、同時に今後のインターネット広告の在るべき姿についても考えてみました。
 

 

iOS9にて広告ブロック機能「コンテンツブロッカー」がリリースされましたね!

 
先日17日にiOS9のリリースがありました。ニュースキュレーションアプリ「News」が搭載されるなど、いろんな形でAppleは新しいユーザービリティを提供してきています。
 
ios9
 
その中でもインターネット広告業界の人やwebマーケティング担当者が特に気になるであろう機能が広告ブロック機能「コンテンツブロッカー」です。
これは広告をブロックできる他アプリの機能を、Safariがブラウザ閲覧時に使用することを許可する機能です。(※参考:広告ブロックできるiOS9「コンテンツブロッカー」機能、組み合わせて使えるアプリ一覧
 
各媒体社や代理店からのコメントはまだ公表されていませんが、インターネットを見ている感じリテラシーが高めのユーザーを中心に実装していく流れだろうなぁと思うので、このタイミングではiOSでSafariを利用しているユーザーへの広告配信に影響が少なからず出るでしょう。
 
実際、広告をブロックする機能自体はブラウザでも拡張機能でもアプリでも技術的に実装できるものだと思っています。Chromeの拡張機能では「Adblock Plus」などがありますね。
 
問題は「なぜインターネット広告が”迷惑”だと思われているか?」というところです。
 

今後数週間の内に、日本国内のInstagram利用において、広告の表示を徐々に開始していきます。皆さまにご覧頂く広告がクリエイティブでエンゲージングなものになるよう、まずは既にInstagramを有効にご活用頂いている幾つかの企業から導入していく予定です。広告は、Instagram上でこのように表示されます。広告の上部にある [広告] ラベルをタップすることで、表示されている広告の詳細を見たり、あるいは関心がない広告を非表示にしたりできます。この操作は、今後より魅力的な広告を配信していくための参考になります。なお、これまで通りInstagramに投稿される写真や動画の所有者は、投稿した利用者ご本人です。広告表示を開始しても 、この点は変わりません。これからも変わらずInstagramのご利用をお楽しみください。

Instagramさん(@instagram)が投稿した写真 –


※少しずつ始まっているinstagram広告、広告開始を宣言したこの写真へのコメントには「反対意見」が多く見られましたね。
 
 

ユーザー・広告主・メディアにとっての「インターネット広告」の必要性を考える

 
インターネット広告と呼ばれるものには様々なものがあります。(※詳しくはネット広告の種類全37種 課題別効果の出る手法一覧などで。)
 
・検索連動型広告
・ディスプレイ広告
・純広告
・メール広告
・アプリ内広告
・記事広告
・動画広告
・ソーシャルメディア広告
・キュレーションメディア広告
 
上記は一例で、名前も分類も様々あり、媒体もGoogleやYahoo!をはじめ多く存在します。広告主は様々な有料の手段を使ってユーザーに情報を届けようとしているのです。
 
インターネットと少しでも関わるビジネスの場合、自社を「知って欲しい」ためにできる手段の一つが「広告」で、その中の一つが「インターネット広告」です。
インターネットでしか成り立たないユーザー行動(検索、ソーシャルメディア回遊、など)があることや、ユーザーの接触時間が多いメディアであること(※参考:「メディア定点調査2014」)、ユーザーの反応が数値で測定できリアルタイムの運用ができること、100円など小額の単価から広告配信が可能であること等の特徴があることで、インターネット広告の効果的な活用は広告主にとってメリットをもたらします。
 
仮にインターネット広告がなかった場合のwebマーケティングを考えると、オウンドメディアを運営し自然検索からの流入を期待、またソーシャルメディアにてブランディングを協創していく…またPR的にwebメディアでの掲載を狙うといった感じになると思います。
しかし「強い物語性・体験がないとブランドの長期的なファンにはならない」「PV数・ファン数増加まで時間がかかるため、短期的な売上を獲得しにくい」などの問題があり、果たしてどれだけの業種・商材・企業がインターネット広告なしにビジネスを成功させることができるか疑問です。
 
バッグ
※Google検索連動型広告のキャプチャ。新規参入の場合、BIGワードで自然検索の1ページ目に載ることは簡単ではないでしょう。
 
webメディアにとってインターネット広告は、一つの収益源の役割を果たしているケースが多いでしょう。渋谷のスクランブル交差点やテレビと発想は同じで、人が多い=PVが多い場所を広告枠として売るモデルです。この枠はバナーの時もあれば、記事広告の時もあるでしょう。
 
webメディア運営もビジネスなので、ライターへの費用、サーバー費用、web制作費などを回収しないといけません。仮にインターネット広告がなかったら、cakesのように「記事を有料で買う」というようなモデルにならざるを得ないのではないでしょうか。
 
cakes
※3周年を迎えたcakes。定額で記事を購読できるモデル。
 
ユーザーにとってのインターネット広告のメリットは「知らなかった情報を知ってより得をする」ことだと思いますが、さて今この記事を読んで頂いているあなたはこれまでに”いい”インターネット広告に出会ったことはありますか?
 
この問いはインターネットに限らない「広告」でも挙げられる問いだと思います。ちなみに自分は、①名刺の印刷先を迷っていた時に検索連動型広告経由で安くて使いやすいwebページの依頼先を見つけることができた、②TrueView動画広告で初めて聴いたバンドの音楽を好きになった、などよかった体験もいくつかあります。
 
しかし今回のios9の「広告ブロック機能」が実装された背景には、ユーザーにとってのインターネット広告のデメリットも存在してしまっているというのが事実です。
 
・自身に興味の無い情報が表示される。
・広告数が多い。
・強制視聴型の広告により、本来の目的がスムーズに達成されない。
・通信制限がかかる一つの要素になっている。
・いわゆるステマ記事など、作られた話か体験談かが判断しにくい情報がある。

 
上記はユーザー目線の自分でも正直「迷惑だなぁ」と感じるところです。もっと自分の趣味に沿ったターゲティングをしてくれたらな…と思うこともよくあります。
 

本当は、広告バナ一1つにしたって、受け手にとって不自然なものであってはいけないと思います。世の中すべての広告が早いとこ自然な広告になって、ネイティブアドが死語になってくれるように、がんばります。( ネイティブアドよ、死語になれ。 | Taichi Sugiura Weblog | CINRA, Inc. 杉浦太一のブログ )

 
今はもう「弊社メディアにおける広告表記に対する考えと今後の方針」という記事で広告表記を受け入れていますが、個人的にこの意見は尤もだと思いました。「広告」はコミュニケーションなので、相手に届かないと意味がないと思っています。
 
 
 

じゃあ今後のインターネット広告を取り巻く環境はどうなるだろう?

 
広告ブロック機能がリリースされるも、広告はユーザー・広告主・メディアにとって必要な場面があることから、完全に無くなることはありません。ただし、よりネイティブな広告だけが残っていくことが予想されます。
 

〝受け入れられる広告〟の基準〜(略)〜その基準は5項目にわたっており、(1)うっとうしくない(2)コンテンツを邪魔したりゆがめたりしない(3)広告であることの明確な表示(4)突然、効果音を出したりしない(5)サイトにとって適切な広告であること( 「広告ブロック」時代に、メディアは何ができるのか? | 平 和博 )

 
既に海外では広告ブロック機能が使われているケースもありますが、逆に上記を満たして申請することでブロックを回避できるという仕組みもあります。「ユーザーにとって迷惑ではない」という観点がポイントです。
 
そういう意味で、例えばwebメディアへのリンクを飛んだらいきなり広告にジャックされたり、アプリの画面を覆うような広告は無くなっていくと考えます。逆に検索連動型広告や記事広告は無くならないと考えてもよいかもしれません。
 
またリマーケティングなどの追跡型広告は、自分の興味のないバナーに何日も追いかけられることは不快と感じるケースが多く、ブロックされる可能性があると考えます。ただCriteoなり動的にバナー画像を生成する広告の場合、「ユーザーが過去に閲覧したページ情報」を元に「よりユーザーが興味のある情報」を提供する仕組みであることから、ブロックしない方がユーザーにとって利点があるとも考えることができます。
 
そういった意味で、「自分の情報を多く広告媒体に渡す」ことはある種「自分にとってより有益な広告」が表示される可能性が高まるというのが事実だと思います。プライバシーの観点も踏まえつつ、自然な形でユーザーの行動情報をもとに適切な広告が届けられる仕組みがベターな世界ですね。
 
FireShot Capture - Google AdWords(アドワーズ)PPC型のインターネット広告 - https___www.google.co.jp_adwords_
※媒体もメディアも代理店も広告主も、より「ユーザー目線」を考えていく必要があります。
 
あとは少し広い話になりますが、IoTの話でもデジタルサイネージやカーナビでも、デバイスや広告枠というものはいくらでも増えていくでしょう。また最近はGIFが再び流行りはじめていますが、動画やアニメーションによる表現はよりより活発になるでしょう。
 
もっと言うと現在の文化や決まり…、教科書、義務教育、選挙、役場手続き、保険、銀行、…そういったものはどんどんデジタル化していくでしょう。誰かが書いたSF作品のような未来が来たりもするかもしれません。もうデジタルネイティブが大人に近づく時代ですね。
 
もちろん「こうなるでしょう」という期待ではなく、自分も含めてよりよいインターネット生活を作り上げていくという意味で。引き続き発信していきたいと思います。
 
 
 
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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このブログを書いている人
石松 豊 (がちゃーん)

デジタルマーケティング会社からweb制作/メディアの会社へ。個人でも主に音楽関連の広告やサイト制作の仕事をしています。インターネットで音楽をもっとおもしろくしたい。

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