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Instagram広告をデジタルマーケティングに活かしていくには

2015.12.19

instagram広告がすべてのユーザーに公開されて3ヶ月ほど経ち、ブランディングやマーケティングに活用する企業も続々と増えてきている最近。
今回はインターネット広告の視点でinstagramを整理したあと、既に活用されている事例を分析し、更に今後の活用法について考えていきたいと思います。
 
 

目次

 
・インターネット広告の視点でみたinstagramってどんなメディア?
・instagram広告の事例を分析してみる
・instagram広告をデジタルマーケティングに活かしていくには

 
 

インターネット広告の視点でみたinstagramってどんなメディア?

 
2015年5月より一部で始まり、2015年10月にはFacebookを通してすべてのユーザーが利用できるようになったinstagram広告(※以下、インスタ広告)。
 

今後数週間の内に、日本国内のInstagram利用において、広告の表示を徐々に開始していきます。皆さまにご覧頂く広告がクリエイティブでエンゲージングなものになるよう、まずは既にInstagramを有効にご活用頂いている幾つかの企業から導入していく予定です。広告は、Instagram上でこのように表示されます。広告の上部にある [広告] ラベルをタップすることで、表示されている広告の詳細を見たり、あるいは関心がない広告を非表示にしたりできます。この操作は、今後より魅力的な広告を配信していくための参考になります。なお、これまで通りInstagramに投稿される写真や動画の所有者は、投稿した利用者ご本人です。広告表示を開始しても 、この点は変わりません。これからも変わらずInstagramのご利用をお楽しみください。

Instagramさん(@instagram)が投稿した写真 –

 
instagramそのもののサービスについては、ここでは割愛します。以下のページなどを参考にしてください。
※参考:そもそもInstagramとは何ですか? 企業が活用を考えた時に知っておくべきこと :MarkeZine
 
インスタ広告をインターネット広告の一つとして捉える時、①instagramというメディアの文脈②instagram広告の仕様(ターゲティングや取得できる指標など)をきちんと理解して配信設計をつくる必要があります。
 

 
①instagramというメディアの文脈
 
・(2015年9月時点で)全世界のアクティブユーザー数が4億人を突破。日本だけでも810万以上が利用。(※参考:Instagram、MAUが4億人突破 日本は倍増の810万人超 – ITmedia ニュース
・(2015年9月時点で)ユーザーは女性の割合が70%と高く、また18〜29の若年層が43%とスマホ世代がメイン。(※参考:Instagram開設・運用代行:企業のInstagram開設・運用とは | 株式会社シェアコト
デバイスはスマートフォンとタブレットのアプリが中心。webサイトからもタイムラインを見ることができるが、広告はアプリ面にしか配信されない。
・スマホで撮影した写真を、Instagramのフィルター機能や画像編集アプリで加工して投稿することが多い。バナー広告のように商業的に作り込んだ画像や固いフォントの文字を含むような画像が投稿されることはあまりない
・画像や動画がコンテンツの中心であるため、投稿に添えるテキストは短くなる傾向がある。またTwitterのようにハッシュタグが活用される
・画像や動画コンテンツに対して「♡」のためにダブルクリックはするが、広告以外では画像や動画をクリックしてwebページに遷移するということはない
・ソーシャルメディアであり、気にいったアカウントはフォローする
 
②instagram広告の仕様(ターゲティングや取得できる指標など)
 
instagram
 
Facebook広告のすべてのターゲティングが利用可能。リターゲティングや、Facebook上のユーザーデータ(性別・年齢・職業・趣味など)を活用したターゲット設定が可能。
Facebook広告のすべての指標を利用可能。インプレッション、リンクのクリック率のほか、推定広告想起リフト(広告を見てから2日以内に広告を見たことを覚えている可能性が高い人の推定数)などブランディングの効果測定に関する指標も取得可能。
・画像サイズや規定などはFacebook広告ガイドに則る。
・課金方式はCPC課金、CPM課金から選択可。アプリの場合はCPI課金も可。500円など小額から広告掲載が可能
 

 
上記は2015年12月のこの記事を書いている段階での話ですが、特に①instagramというメディアの文脈は近い将来では大きくは変わらないでしょう。もちろん「カップル共同アカウントが流行る」など文脈の要素が増えることはあるかもしれません。
 
逆に②instagram広告の仕様(ターゲティングや取得できる指標など)は日々アップデートされていくと思われるため、今後もダイナミックリターゲティングなどの新規メニュー配信や媒体横断でのアトリビューション計測などができるようになることを期待します。
 
 
 

instagram広告の事例を分析してみる

 
既に多くの「いいね♡」が付いた広告出稿の事例がいくつか見られることから、自分のアカウントで出会った広告を2つ取り上げて、配信意図やエンゲージメント率がなぜ高いのかを分析してみます。
 
 
■有名人を活用した動画広告でのブランディング
 

たとえば、 洗濯時間を 読書時間にしてみる。 #ふだんプレミアム #西島秀俊 #パナソニック

Panasonic ふだんプレミアムさん(@fudanpremium)が投稿した写真 –

 
Panasonicの”ふだんプレミアム”というブランドが、こちらの訴求で動画広告を配信していました。web上でも動画を活用したコンテンツが組み込まれています。
 
俳優の西島秀俊さんを起用したこの広告は、インスタ広告のリリース初期で「広告なんていらない」というネガティブコメントが付く広告が目立つ中、「かっこいい♡」など女性からの好意的なコメントが多数付いていたことが印象的でした。
 
・スタイリッシュ、お洒落、特別感のある…という写真を好むinstagramと、”プレミアムさ”を訴求したいブランドの意図がマッチしている。
・洗濯機や冷蔵庫などは購入頻度が多くない商材なので、いかに記憶に残る認知(ブランディング)をさせるかが鍵となる。その中で、利用の主なターゲットである女性に対して好印象を得るためのキャスティングが想定通り刺さっている。
・ソーシャルメディアは「誰が」情報を発信しているかも意識すべきで、ユーザーは基本的に知っている人か自分好みの写真をアップする人のみをフォローしている。タイムラインに突然知らないアカウントの画像や動画が現れる時に「この人(ブランド)は知っている」という安心感を与えることができると、訴求したいメッセージも届きやすくなる。

 
よかったところを箇条書きすると、上記のような考察になると思います。この”有名人”という視点では水曜日のカンンパネラのコムアイを起用したヤフオク!や、“インスタグラマー”という観点でいろはすも参考事例として挙げることができます。
 

ヤフオク!の広告動画の1つ。
 

い・ろ・は・す × instagrammer in 白州の動画。正方形で作成されています。
 

※個人的に好きだったantennaのパクチーCM
 
 
■instagramの質感を大事にした画像広告
 
響
 
こちらはサントリーのウイスキー”響”の広告。若年層のユーザーが多いというinstagramでも、20歳以上を対象にした商材が多くの「いいね♡」を獲得しています。
 
・風景や全体の色合いといい、instagramで実際にユーザーが投稿するような質感の画像編集がされている。
・ウイスキーの色も重なって、まるで”特別な日の一杯”かのようなイメージを想起させる意図と、ユーザーのinstagramへの投稿モチベーションがマッチしている。
・個別のアカウントページでは3×4サイズで特大の画像を掲載するなど、instagramならではの仕様を踏まえた工夫をおこない、より記憶に残る訴求をしている。

 
この質感という単語は言語化することが難しいのですが、instagramを普段利用しているユーザーならピンと来るはず。お洒落に見えるように、いいなぁと思われるように、綺麗なモノを残したい…といったような、1枚1枚の投稿を大事にするメディアだからこそ、丁寧に作られたクリエイティブが響くと考えられます。
 
 

instagram広告をデジタルマーケティングに活かしていくには

 
実際にマーケティング手段の一つとしてインスタ広告を選択するとき、目的やKPIに対してどのような設計で活用していけばよいのでしょうか。いくつかプランニングの参考にできそうな軸を考えてみました。
 
■企業アカウントを活用したい
既にTwitterやFacebookページを活用している場合は、instagramでも自社のフォロワー(ファン)を増やすコミュニケーションをとることでマーケティングに活用できます。
画像や動画に絞ったコンテンツ発信は、主に興味を持ったユーザーのブランドイメージを向上させる働きをするでしょう。北欧、暮らしの道具店 がとてもいい例ですね。
 

肩にかけやすくてしなやかな、「Ense」の定番レザートートが新登場! ▶︎商品はプロフィールから!ご覧ください シンプルで堅実なつくりだけれど、フォルムは丸い曲線を描いていて、どことなく女性らしい雰囲気をまとったバッグ。お出かけなどの日常使いにはもちろん、通勤バッグとしてもオススメですよ。 Enseのレザートートのポイントは、ハンドルが縦について立ち上がっていること!肩からするっと滑り落ちにくい設計なんです。バッグそのものも軽くて負担が少なく、くったりと柔らかいので、身体にしっくり寄り添ってくれます。 A4サイズの書類や雑誌、ポーチ等もちゃんと入ります◎ #北欧暮らしの道具店 #Ense #アンサ #レザー #レザートート #トート #ファッション #カバン #バッグ #鞄

北欧、暮らしの道具店さん(@hokuoh_kurashi)が投稿した写真 –

 
■ターゲットが若年層
特に10代や20代前半と接触できるのがソーシャルメディアです。他のペイドメディアでもカバーできないデジタル接触時間を埋める手段として、instagramもマーケティング手段の対象に加えていくべきです。
 
■スマートフォンに注力している
実店舗や小売などスマホを活用している時に購買喚起される商材やアプリなど、スマートフォンに注力している場合もマッチするはず。
朝の通勤途中に、お昼にカフェで友達と、寝る前に一人で、など時間帯によって訴求を考えることもできますね。
 
■特別感のある商材・サービスのイメージを向上させたい
事例のように「特別な」や「美しい」などのイメージの商材やサービスを広めたいとき、自然な角度でユーザーに情報が伝わるのがinstagramと考えることもできます。
ユーザー観点で言い換えると「こんな体験をしたい」「こんな体験をSNSで自慢したい」という言葉でもプランを考えることができるでしょう。
 
■動画素材を活用したい
CMやTrueViewで活用した動画素材を違うメディアで活用したい時も、選択肢にできるでしょう。
シネマグラフハイパーラプスアニメーションGIFなども含めると、まだまだデジタルマーケティングでの動画は遊びがいのある領域です。
 
gif
A quiet autumn rain… | – Ann Street Studio という海外のサイトより素敵なGIFシネマグラフ!
 
上記の例の通り、基本的にインスタ広告はダイレクトマーケティングの立ち位置ではなく、世界観に沿ってブランドや商品を認知してもらうファネルで活用できるメディアです。
どんな企業であれ、中長期的なビジネス発展には継続利用や新規顧客との接点を増やすことが必要なもの。メディアと商材・サービスの文脈が合致するプランがあれば、活用しないのは機会損失です。
 
若者のテレビ離れがニュースになる近年ですが、デジタル動画は成長していくばかり。instagramも、今後はより運用型かつブランド認知の手段として抑えておくメディアになるのではと思います。
 

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